バーニングマン2013/第4回 ~最終日、祭りのあと

バーニングマン

ここでは、個人旅行の体験や旅に役立つ知識などを募集いたします。tabinoteを使って実際に行った旅行のレポートも歓迎いたします。お得情報や旅のコツ、旅の楽しさを分かち合う場としてご活用いただければと思います。

(注:本事例は「tabinoteメールマガジン」の2013/09/24号に収載されたものです。2013年8月時点の内容にもとづいています)

はじめに

tabinoteスタッフの田口です。
このコーナーでは毎号スタッフの旅行記を掲載していきますが、今後は読者の方の旅行記も掲載していくつもりです。われこそはという方がいらしたら、ぜひこちらまでお寄せください。採用の方には薄謝を差し上げます。
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Burning Man

4日目を過ぎると非日常が日常になってくる。出歩くことも最低限になり、ひたすらキャンプでぼんやり思索に耽っていることが多くなった。このままずっとここに暮らしたい。だが、この日常も長く続くものではない。やはりこれは非日常なのだ。
そしてあっという間に土曜日になり、Burning Manのメインイベント、シンボルの人形を燃やす「Burning Man」がやってきた。

日もとっぷり暮れた午後7時ごろ、シンボル周辺に人がワラワラ集まってくる。

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マンの周囲でファイアーダンスなどの火を使ったパフォーマンスが行われている。回りの人たちのテンションも最高潮だ。

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そしていきなりマンの土台になっているUFOが火を吹いた。

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すぐに盛大な花火が打ち上がる。

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ほどなくしてマンに火が付き。みるみるうちに全身に火が回っていく。これが「Burning Man」の儀式だ。


(見れる環境の人は)YouTube動画もどうぞ

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火はマンだけではなくUFOにもつけられる。
盛大にガソリンがぶっかけられているようで、はっきり言って大火災だ。100m以上離れているにもかかわらずとても熱い。
周囲は大騒ぎ。みんなビールを飲みながらはしゃぎまくっている。なんというか、本当にアメリカらしい光景だ。

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たっぷり1時間ほど燃えていたであろうか。期間中ずっとセンターに屹立していたイベントのシンボルは完全に消滅した。
つまりこれでこの街は終了。明日には撤収である。

翌日日曜の夜には、Burning Manの奥にあるテンプルが燃やされるというイベント(テンプルバーン)もあるのだが、僕はそこには参加せず代わりに自分なりのイベントを行った。
イベントといっても大したことではない。単に全裸になっただけである。
会場内にはヌーディストもそこそこいた。僕も裸になる事自体にはさほど抵抗はないつもりだったのだが、同行したほぼ初対面のキャンプメンバー15人に遠慮してしまい、結局その機会がなかったのだ。
だが今日はほぼ全員テンプルバーンを見に行っている。よし、チャンスだ!ということで即効で服を脱ぎ捨て全裸になった。
日は暮れており正直少し肌寒いが、やはり開放感ハンパない。キャンプを出て30分ほど周囲を歩きまわり堪能した。
もちろん誰も奇異の目では見ない。いつもどおり「Have a Nice Burn(お決まりの挨拶)」と声をかけてくれる人もいる。
Burning Manの期間は月曜から日曜日までの1週間。この長さが本当にちょうどいいと思う。これ以上長いときっと現実に戻ることができなくなってしまうだろう。

翌日の日曜日はほぼ後片付けに忙殺される。
1週間分の生活の残滓は思った以上に大量だ。
砂漠環境を守るため、会場にはゴミ1つ、汚水一滴たりとも残すことは許されていない。結局荷造りは深夜までかかってしまった。
現地で購入したテントや自転車、飲み残したビールなどはボランティアに渡すことができるようになっているが、それでも大量にゴミが残る。
人間が15人、最低限の文明生活を送るだけでこれだけのゴミが発生するのだなと実感することができた。
特に汚水の処理は大変だった。こぼれないよう注意してペットボトルやバケツに入れ慎重に持ち帰ることになる。

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多くの人は月曜の朝に帰る。我々は日曜深夜2時頃には出発したのだが、それでも街への一本道は大渋滞で殆ど動かない。

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あまりの渋滞に途中で横道にそれて休憩。もう完全に日は上っている。

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結局リノに戻るためにたっぷり8時間以上かかってしまった。
1週間まったく髪を洗わなかったのでゴワゴワだ。

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だがまだ仕事は残されている。1週間砂漠に放置して砂だらけになったレンタカーの洗車だ。洗車しないでそのまま返すと膨大な清掃料金を取られてしまうのだ。(このあたりは経験者の体験にとても助けられた)
と言っても手洗いできるレベルではないので街中の洗車場にお願いすることになる。洗車場では「Burning Man Pack」ということで特別料金メニューが提示されている。確か150ドル近くで異常に高いのだが、レンタカー会社のペナルティはそれ以上ということなのだ。
写真は自動洗車機を通しているところを車内から撮ったもの。そのあと車内は手作業で1時間くらいかけて綿密に掃除してもらえる。
ちなみに清掃作業員はほぼヒスパニック。彼らはBurning Manのことは知っているが行ったことはない。1周間も仕事を休めないし$400の入場料も法外だろう。一見自由な楽園ではあるが、結局富めるもの(もっと言えば富める白人)の道楽ではないか、という疑問・矛盾も強烈に内包しているイベントではあった。

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掃除が終わってピカピカになったキャンピングカー。ちなみにこちらの洗車料金は400ドルくらいした。

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集合場所のホテルにキャンプ全員の車が揃ったころには日が暮れていた。



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1週間ぶりの風呂に入ってから1週間ぶりの文明的な食事。おいしかったなあ。

ちなみに入浴時には湯船にためた湯にたっぷり酢を入れたものに浸かり、頭も酢を薄めたもので洗った。体がアルカリ性になっているからだという経験者のアドバイスからだが、確かに調子良くなった気がする。

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おみやげは拾ってきたマンの欠片だ。

祭りのあと

マンから戻った最初の晩のことはあまり覚えていない。
だが翌日は意外に早く目が覚め、リノのダウンタウンに行き少しだけカジノを冷やかした。
その後ホテルに戻りキャンプのみんなと最後の挨拶をし、ハグを交わした(すっかり外人である)。

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リノ空港でレンタカーを返してチェックイン。
Burning Man帰りの人で溢れていた。

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空港内には過去のBurning Manの写真やグッズが展示されていた。

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次の目的地は?

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僕はBurning Manの後に帰国せず、そのままもう一箇所アメリカの都市に行くことにしていた。
さてそこはどこでしょう?
答えは次回最終回で。


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