東海汽船で行く! 近すぎるのに凄すぎる絶景の神津島へ

tabinoteワタベです。
6月に伊豆諸島の神津島に行ってきましたのでそちらの様子をレポートします。


ひょんなことから伊豆諸島・東海汽船の往復チケットを入手したワタクシ。
伊豆諸島は伊豆大島から八丈島まで、その南には絶海の孤島と称される青ヶ島があり、さらにその遙か南には小笠原諸島が続きます。
チケットは八丈島までのいずれかの島までの往復チケットと交換可とのこと。八丈島まで行ってしまえば青ヶ島も行動範囲です。
伊豆諸島そのものが初体験の私、今回は神津島に向かうことにしました。理由は以下の2つです。

・理由1:高速フェリーで行ける最南端
 神津島までは高速ジェットフェリーが就航しており、それ以南は普通のフェリーとなるため日数がかかる。
 日程が限られた中で長く現地滞在できそう
 
 (参考画像:東海汽船:ジェット船航路図

・理由2:天上山
 「花の百名山」と称される天上山は絶景で知られる。三原山(伊豆大島)と若干まよったものの、今回はよりさっくり登れそうな天上山が魅力的に思えた

さてさて実際に行ってみた感想ですが、ボーイング社製の高速ジェットは飛行機気分。ダイナミックな山と海のコントラストや海の幸もすばらしく、近い・安い・冒険感たっぷりのすばらしい旅になりました。
こちらの旅行記で、海外や沖縄だけではない身近な秘境、伊豆諸島のすばらしさを知っていただければと思います。

伊豆諸島への道

まずはアクセス情報から。
伊豆諸島は東京湾に最も近い伊豆大島(本土から約100km)から数え、利島・新島・式根島・神津島・三宅島・御蔵島・八丈島までを伊豆七島と称します。有人で比較的大きな島々です。神津島を境に北を伊豆諸島北部、三宅島から南を伊豆諸島南部とよぶこともあります。八丈島の南には青ヶ島(本土から約390km)があります。
さらにその南、東京湾から南に1,000kmには父島、母島といった小笠原諸島があります。

伊豆諸島への行き方ですが、フェリー、高速ジェット船、飛行機という手段があります。
フェリーの場合は東京港もしくは下田、伊東、熱海から航路があります。
伊豆諸島北部までは東京港および熱海から就航しているジェット船も利用できます。
飛行機の場合、羽田からの大島、八丈島便をANAが就航している他(※)、新中央航空による調布からのプロペラ機もあります。
ちなみに、神津島までの所要時間と費用(いずれも片道)は以下のとおり。
 ・フェリー(東京港発):9時間55分・9,090円(2等燃油込)
 ・高速ジェット船(東京港発):3時間15分・13,010円(燃油込)
 ・飛行機(調布飛行場発):35分・15,300円
 ※ANAの羽田-大島線は2015年10月で運休が決まっています。

こう見ると飛行機のコスパがよいように思えます。しかも往復の場合は27,800円(片道13,900円)になるんですね。
ただし、フェリー・ジェット船も早期割引やネット割引があり、そちらを使うと最大2割引。この場合ジェット船は燃油込10,708円となりお得感があります。
また、東海汽船は割引きっぷや宿泊をパックにしたキャンペーンをやっているようですので、賢く利用するとよいですね。

ちなみに、青ヶ島は八丈島発着のフェリーもしくはヘリコプターでしか行くことが出来ません。どちらも高頻度で欠航するため、島にたどり着くまでがすでに冒険です。
小笠原諸島もフェリーのみ。しかも週一便、所要25時間です。ある意味南米よりも遠い場所ですね。

東海汽船
小笠原海運
全日空
新中央航空

先にふれました通り、今回私は神津島にジェット船で向かうこととしました。

乗船~到着まで

出発当日。
JR浜松町駅から竹芝客船ターミナルへと徒歩で向かい、東海汽船のフェリーターミナルで乗船券を手配します。
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ターミナルは伊豆諸島、小笠原といった東京都に属する離島の名産品を集めたおみやげ屋が並んでおり、レストランもあります。船に乗る予定がなくても楽しそう。
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さて、本日乗ることになるのがこちらの高速ジェット船。
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ジェット船にはいくつか種類がありますが、今日は「セブンアイランド大漁」という1月に就航したばかりの新造船。
いささか旭日旗チックなデザインはイラストレーターの故・柳原良平氏によるものだそうで。
内部もピカピカです。

ジェット船はジェットフォイルともよばれ、ボーイング社による開発。ちゃんと「ボーイング929」という型番があります。東海汽船の船体は川崎重工によるライセンス生産。
 (参考:ジェットフォイル

ジェット船は低速時には普通の船と同じですが、海水を吹き上げることで空中に半浮揚、最大時速80kmで巡航することができます。
停泊状態のジェット船に乗りこみます。船体が小型なためか波港内の波に応じて景気よくゆれまくり、かなり三半規管をゆさぶります。
乗船すると、ほどなく出港。
高速走行前は、航空機同様に離陸(離水)前に着座・シートベルト着用が指示されます。
そして離水。おお、速い!揺れない!
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船からの眺めは一面の海と東京湾を囲む半島。速度といい安定性といい乗用車に乗っているかのようです。

たまに大型海洋生物が通るので高速走行を中断しますとのアナウンス。その都度低速走行に戻ると、なかなか景気のいい揺れが来ます。
そして離水!爆走!
すごい、宇宙戦艦ヤマトのワープのようです。

大島、利島、新島、式根島と順番に停泊し、とうとう神津島へ。
ホテルのシャトルバスに乗り込み、チェックイン。
荷物を置いて島の探索に向かいます。

島の探索

まずは神津港へ。ふ頭ビル(よっちゃーれセンター)の2階食堂で昼食です。
ブ厚い切り身と明日葉だらけの定食が1,000円!安い!
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腹ごしらえが終わったところで、地図を片手に一番の見どころだという赤崎遊歩道を目指します。ちょうど西から時計回りに島を半周する感じです。
神津島観光協会 から 赤崎遊歩道   Google マップ

空は雲が多め。海沿いの細い道には海水が吹き上げられた水たまりが多くあります。
ときおり風速20mはありそうな強風がふき、身体がもっていかれそうになります。

神津島を含む伊豆諸島の八丈島以北は「富士箱根伊豆国立公園」に属しています。
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ここは火山の島。あちこちに奇岩があります。
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まだまだシーズンオフのせいか、平日のビーチは閑散としています。
露天風呂もあるという保養センターや廃墟化したリゾートホテルを過ぎます。
閑散としています。
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阿波命神社へ。
創建不詳ながら、「続日本後紀」(840年)にも記載があるという由緒ありすぎる神社。
1988年に集中豪雨で社殿が倒壊したらしく、真新しくなっていました。
閑散としています。
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とにかく、フェリーを降りて以降、観光客っぽい人を全くみかけません。
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1時間以上かかって、ようやく赤崎遊歩道へ。
遊歩道は海の上に木で長大な桟橋を組んだもの。正直あまり期待していませんでしたが、実際に行ってみるとかなりのスケール。
どこまでも続いています。
夕陽の時間には絶景だろうと思いました。とにかく風が強い。
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ここでようやく他の観光客を発見しました。
赤崎遊歩道まで神津港から歩くこと約5km。また歩いて帰るのはしんどいので、乗り合いバスで戻ります。
バスの都合上、夕陽の時間までいられませんでした。

明日登る予定の天上山は、雲に隠れて見えません。
標高572mと高尾山よりも低いのですが、高度300mくらいから上はすっぽり覆われており無気味な感じです。
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夕飯は島唯一のスーパーで刺身を買いました。
(寿司屋に行ったのですが、シーズンオフのせいか閉店中…)


天上山トレック

さて、今日は神津島観光のハイライト、天上山トレッキングです。
早朝起きて登山道へ。とはいっても宿からは徒歩距離です。
この日は土曜日。感心したのが、朝から子供も大人も総出で島内の掃除をしていること。さすが観光の島と思わせました。

昨日までの雲が消え、絶好の登山日和。少し日射しが暑いくらいです。
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集落を抜けて坂を上り、白島登山口へ。
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いきなりうっそうとしています。
他の登山者は居ませんね…。

高温多湿の島はコケ天国。
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登山道はよく整備されています。
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ヘビを発見。沖縄と違ってハブにでくわす恐れはありません。
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蒸し暑い樹林を抜けると、いきなり視界が開けます。
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青い空と海、頂上方面は緑と白い岩石帯、そしてツツジの赤がまじりあっています。
低山ながらゴツゴツした岩々はアルプスのような風格。
ツツジの色が映えます。
いやー、これは山ガールに人気というのもわかりますね。
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おそらく強い海風が山頂付近の植物をなぎ倒すのでしょう。蒸し暑い樹林からわずか300m程度登ったところで森林限界を超え、高山の光景がひろがっています。
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そして山頂部分、いわゆるお鉢へ。
不入ガ沢という白い窪地を尻目に、山頂方向へ。
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調子に乗って写真をとりながらのんびり歩いていると、細い雲が流れてきました。
あたりが雲で覆われていきます。
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こちらが、雨上がりにはハート型になるというパワースポット(ケッ)不動池。すでに上空は白っぽい感じです。
立派なトイレがあります。雨になったらこの小屋に避難しようとか考えました。
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こちらも見どころの1つ、表砂漠、裏砂漠へ。
霧が立ちこめてきました。現実感がありません。
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ピーク前で初めて他の登山者を発見。軽く会釈し最高度点へ。
一応登ったので写真を撮ります。
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天気が崩れる前に下山することにします。
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風も強くなってきました。下りは宿に近い黒島下山口方面へ。
すさまじい強風です。これが2000m峰なら岩陰に退避しているところですが、この場所は標高にして450m程度のはず…。めげずに降ります。

ここでも今から登ろうとする登山者たちとすれ違いました。
樹林帯に戻ると、風が落ち着いてきました。

黒島下山口はウソのように晴れていました。
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山は雲にすっぽり覆われています。何かが降りてきそうです。
あの雲の中には数名の登山者が…。
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見どころ多く意外に疲れました。この日は宿で食事をとります。

離島

翌朝も気持ちよく晴れました。
宿をチェックアウトすると、フェリーの時間まで本当にすることがありません。
再び神津港の食堂で昼食をとります。この巨大金目煮付けが1,000円、安い!
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今日は海が荒れているため、神津港ではなく島の東側多幸港からの出港とのことで、急遽移動。
多幸港のターミナルは懐かしい感じです。
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こちらからは天上山の裏側を見ることができます。
また、多幸湧水という名水スポットがあり、コーヒーを淹れたりしながら時間をつぶします。
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天上山の裏側は、荒々しい岩肌で迫力があります。
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最後に多幸港からの景色を見られたのはラッキーでした。

雨に降られず山登りができ、満足でした。
いよいよ島を離れます。


初体験の伊豆諸島・神津島。
いい島でしたが、海水浴のオンシーズンでないと空いていないお店があったりして6月の訪問は多少不便に感じました。
天上山は本当にすばらしいので、山の魅力を全面に出して通年観光に力を入れるともっといいのでは?とも感じました。
ともかく、都会からわずかな時間とお金で秘境感たっぷり、東京の島々はおすすめです。


参考文献:こちらの本で計画をたてました。伊豆諸島+小笠原の情報満載でおすすめです。