tabinoteワタベです。
昨年の6月にtabinoteの4名でソウルに行った件はすでに過去の旅行記でお伝えしました。
その3日目、私は戦争博物館に行った後、「とある山に向かった」と書きましたが、その話をします。
ソウルの見どころ&珍スポといったキーワードで検索すると引っかかってきたのが、ソウル市街に点在するという細民街、いわゆるスラムです。
韓国では多くのスラムが山の斜面や高台にあることから、タルトンネ(タルは月、トンネは街で、月がよく見えるほど高い)と呼ばれているとのこと。
ひっかかってきた情報を総合すると、タルトンネは韓国で特段タブーではないようです。
よくドラマや映画の舞台にもなっているようですし、ノスタルジーをかき立てる風景なのかもしれません。日本で言うと泪橋のジョーとかじゃりン子チエみたいな感じかなと。
韓国も豊かになり、再開発などもあって数は減っているようですが、近年は「アート村」としてリノベーションし観光名所にしようという動きまであるようです。もちろんタルトンネにも住民はおり、治安が悪いわけでもないとのこと。
そういった観光地化されたタルトンネの場合、カフェなどもあって観光客が普通に訪れるそうです。
最も有名なのはこちらのソウル北部にある梨花洞(イファドン)。2006年から「梨花壁画村」という名前で、リノベーションが始まり、街を壁画や芸術作品が彩っています。
(トリップアドバイザー提供)
「梨花洞「路上美術館」(街歩きプラン)」
http://www.konest.com/contents/area_hot_report_detail.html?id=8521
(記事:韓国旅行情報「コネスト」)
こちらも同じくソウル北西部、弘済洞にあるアリ村(ケミマウル)。
「ケミマウル」
http://www.seoulnavi.com/miru/2386/
(記事:ソウルナビ 2014/07/03)
ソウルだけではありません。こちらは中部の清州市寿洞スドン。
「タルトンネも名所にしてしまう‘映画の力’」
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/11505.html
(記事:ハンギョレ新聞 2012/05/15)
さてさて前置きが長くなりましたが、そんなソウルに今も残る数少ない昔ながらのタルトンネがあると聞いて行ってきました。
よくネットで目にするのは「ソウル最後のタルトンネ」と呼ばれる白砂村・ペクサマウル(中渓洞104番地)です。しかし、ここは中途半端に壁画などもあって観光地化の兆しがあり、あまり食指が進みませんでした。
もう1つは「九龍村」と呼ばれる集落。村の名前も通称でしょうか。江南地区の九龍駅が最寄りというこの場所。ネットにある写真を見ると全く観光地化されていない感じです。厳密には高台にあるわけではないっぽいのでタルトンネではないのか?
とにかく、今回はこちらに向かうことにしました。
何事も自分の目で見てみることが大事です。
tabinoteメンバーとタッカンマリを食った後、Googleマップを見ながら向かいます。
盆唐線の九龍駅で下車。平日なので構内ガラガラです。
駅の周辺は普通の街という感じです。
南の方角に結構な時間歩き、幹線道の「良才大路」を越えます。6月のソウルは蒸し暑く、汗がにじみます。
たまにザックを背負いトレッキングポールをもった登山者を見かけ…、え?
ここトレッキングルートなのかよ!
集落自体は高台ではありません。一般的なタルトンネとは異なり、山裾にひろがっている感じです。
お店もあります。
建物の素材はコンクリやトタンなど。家々はザ・バラックという見かけで、確かに全く観光地化されてません。
全く街灯っぽいものがないので、夜は真っ暗じゃないでしょうか。
韓国だけに教会は多いです。この日はスピーカー(拡声器?)で何か演説を流していました。
建物は一層スゴい感じになってきますが、不潔な感じは不思議とありません。ゴミが散乱しているような感じもなく、ほどよく生活の感じというか、手入れがなされている印象です。気温が高いのに異臭などもありません。
恐らく幅1メートルもない、すごい路地です。
住民と目が合ったので、ド笑顔で乗り切りました。
たまに、ブ厚いフェルト地のような布(?)で天井を葺いている家屋があります。これは雨とか大丈夫なんでしょうか。なかなかインパクトあります。
この時、早くも16時半。フライトは22時。
余裕を持って夕飯を食うため、急いで市街に戻りました。
確かに建物のインパクトはすごかったですが、ネガティブな空気もあまりなく、クルマなんかもあったりして案外普通の村という感じでしょうか。
何事も自分の目で見てみることが大事です。
次回は、昨年12月に向かった釜山のタルトンネについて書きます。
(続く)