台湾レンタカー体験記&マニュアル(2018年版)

tabinoteワタベです。
先日台湾に行った際、クルマを借りてみました。
これまで海外ではバイクを借りたことこそあったものの、自動車の運転は初めて。実際には案ずるより産むが易しで、公共交通機関では行きにくい場所にもよゆーで行くことができ、一気に行動の自由度が上がりました。レンタカーマンセ-!
台湾は大都市周辺なら交通も整っていますが、中央部の山岳エリアや東側など、アクセスの悪い場所もあります。本稿では台湾のレンタカー体験記をマニュアル的にお届けしたいと思います。

事前準備編 JAFで中国語翻訳を入手

一般的に、海外での運転で必要なものは国際免許(国外運転免許証)です。私も運転の予定もないのに、身分証代わりに取得していたりします。
しかし、台湾はジュネーブ条約に未加盟ですので国際免許が通用しません。実は中国なんかも国際免許は使えないんですね。

国外運転免許証が有効な国(ジュネーブ条約加盟国)/警視庁

ではどうするか。
日本人は、台湾で日本の免許証原本とその中国語翻訳を携帯することによって、クルマを運転できるようになっています。
たとえあなたがネイティブ並みに中国語が堪能でも、勝手に中国語翻訳をつくることはできません。事実上の台湾大使館である日本台湾交流協会が翻訳作業を日本自動車連盟 (JAF)に委託しています。JAF(日本台湾交流協会)の正式な捺印が入った書類でなければ通用しませんので、一応ご注意。

台湾で自動車を運転される方へ/日本自動車連盟

私の場合、浜松町のJAF東京支部に直接行き、その日のうちに翻訳文を発行してもらうことができました。
当日発行の場合、待ち時間は数時間といったところのようです。郵送でのやりとりもできますので、詳細は上記リンクをご参照ください。

こういった正式な書面が発行されます。

余談ですが、台湾で急に運転がしたくなって翻訳文を入手したい場合には、台北や高雄の日本台湾交流協会で中国語翻訳を入手することができます。
日本の運転免許保有者が台湾で運転するための制度について

有効期間が最長1年の国際免許と違い、JAF中国語翻訳の有効期限は免許の有効期限と同じなっています。私は先日更新したばかりでしたので、嬉しいことにほぼ5年近く使うことができます。逆にいうと、更新が間際の場合はだいぶソンすることになりますね。

なお、レンタカーを借りる際には、免許証原本と中国語翻訳の他に、パスポートとクレジットカード(事故が起こった場合の免責枠をまかなえる与信枠が必要;30000台湾ドル~)が必要となります。
そして、スマートフォンをカーナビに使うつもりの方は必要なグッズ(ダッシュボードにスマホを固定するホルダーやシガーソケットから充電できるプラグなど)を買っておきましょう。

予約編

台湾のレンタカーでネット検索するとたくさん業者が出てきますが、おすすめはSkyscannerです。
https://www.skyscanner.jp/carhire

航空券検索同様にインターフェイスがわかりやすく、条件に応じた絞り込みもスムーズです。また、同じ条件で検索した場合でも他のサイトやメタ検索エンジンに比べてヒット件数が多い様な気がしました。とりあえずSkyscannerを選んでおけば間違いないと思います。

Skyscannerでスムーズに小型車の予約をすすめ、送られてきたのはholiday autosという業者からの予約確認書でした。
車種はフォルクスワーゲンのポロ、料金は2600台湾元/日。
カーナビは別料金オプションでしたが、スマートフォンをナビに使うつもりでしたので借りませんでした。

なお、日本のように24時間営業の業者はありません(あるのかもしれませんが見かけませんでした)。検索に引っかからない場合には、借りる・返す時間を一般的な営業時間に変えてトライしてみて下さい。私が借りた業者の場合、午前8:30~21:30という営業時間でした。

実際に現地に行ってみると、駅や空港のカウンターに多くの業者が看板を出しています。
グローバルブランドの場合はAVIS(Budget=百捷租車)、その他にもトヨタと提携している(割には日本語サイトが雑な)和運租車、格上租車などが代表的なレンタカー会社です。

AVIS
和運租車
格上租車

AVISはBudgetと同じグループで、カウンターでも2つの看板が出ています。
そして、holiday autosはレンタカー会社ではなくSkyscannerのようなレンタカー代理店であり、実際に私のレンタル依頼を受けていたのはAVIS(Budget)でした。
AVISカウンターの係員は英語が堪能で、外国人にも慣れているようでした。料金もおおよそ2500台湾元/日~と、他の業者と変わりありません。日本人が借りるならAVIS・Budgetがラクだと思います。

実践編

さてさて、いよいよ体験記です。

配車・返却場所と手続き

私が配車を依頼したのは台北駅(高鉄駅)のカウンター。
AVISのカウンターは地下1階にありました。
台北駅に行かれた方はご存じだと思いますが、一般鉄道に高速鉄道、メトロが行き交う台北駅はめちゃめちゃ広いです。まったくカウンターの場所がわからず、駅のスタッフに聞いてようやくたどり着きました。AVISのカウンターは地下1階の桃園MRT(桃園メトロ)空港線A1付近にあります。

返却場所は台中高鉄駅にしました。
ここでもどこに返していいのか大変迷いました。駅の周辺まで来ても、レンタカー屋の看板がどこにも見当たらないのです。
台中高鉄駅の正面には駐車場があり、最初そこに停めてしまいましたが何のサインも見えません。仕方なくタクシーなどが入る車寄せまで行ったところ、それらしきスタッフが待っており、無事返却できました。とりあえず日本の駅のように混み合っておらず、タクシー優先領域とかもないので、迷ってもガンガン行ってしまった方がいいと思います。

(台中高鉄駅の車寄せ)

借りる際にはカウンターで、プリントした予約確認書、パスポート、クレジットカード、免許証、そして中国語翻訳文を提示し、オプションなどをあらためて選びます。日本と同様に保険の説明、免責金額の説明などを聞いて承諾ならサインします。その後に実車のキズなどを確認し、キーを受けとります。手続きもスムーズでした。
私の契約の場合、1日の走行距離が400kmを超えると追加料金がかかるようでした。たぶん、返却時に走行距離を日数で割り、超過分があればエクストラチャージを取られるのだと思います。燃料は満タン返却の契約でしたが、満タン返却を義務づけない業者もあるようです。

返却時ですが、日本と同様に車体のチェックを行い、問題なければ精算です。
燃料が満タンでない場合、返却時間を超過した場合、走行距離制限を超えた場合などは、この時に必要な費用を精算することになります。また、高速道路の利用料も返却時に現金精算でした。後述しますが、台湾の超ハイテクETCによってレンタカー業者は顧客の高速利用履歴を即時に確認し、高速料金を算定することができます。高速料金は後ほどカードから引き落しになる場合もあるようです。


(私が借りたポロ)

運転編

台湾の運伝でまず迷うのが左ハンドル。ウインカーとワイパーが左右逆になっており、右ハンドル車では右にあるウインカーが左に、ワイパーが右にあります。
走行車線は右側です。
右側走行にはすぐに慣れましたが、ウインカーには何度も混乱しました。右折のハズがワイパーを回してしまうことも多数…。
私がクルマを借りたのは3日間。最終日にはスムーズに動かすことができました。

台北を出発するとまず目にするのがスクーターの群れです。しかし、台数も割り込み度合いもベトナムやタイに比べればやさしいもの….。台湾は運転マナーが悪いなどとよく言われるようですが、他のアジア諸国のような殺気だったクラクションを耳にすることもなく、運転しやすい国だなと感じました。

Googleマップのナビはカーナビと遜色ありません。ただし、なぜか台湾ではフィート(約30センチ)で案内するので、当初距離感をつかめませんでした。「あと1000フィートで右折です!」って言われても….。


(amazonで買ったスマホ取り付け器具でナビ代わりに)

今回の私の目的地は台北から400kmあまりの高原地帯。
高速道路に入りましたが、高速へのGoogleナビもスムーズでした。
ちなみに台湾はETC率100%。このe-tagというステッカーを路上に設置された検知器が読み取る仕組みです。

そのため料金所もETC車載器も不要。日本のように料金所を維持する膨大な費用も、車載器の負担も要らないという、極めてクレバーなシステムです。レンタカー業者が即時に高速料金を精算できるのはこの仕組みに支えられています。なぜ日本はこれができないの…。
また、高速料金も爆安です。私の場合高速だけで600kmは乗りましたが、その料金はたったの330台湾元(1200円ほど)!仮に東京から高速を600km乗った場合1万円はかかるでしょう。台湾の高速道路事情はうらやましい限りでした。

一般道はバイクであふれる台北ですが、台湾は二輪車の高速道走行が禁止。そのため一般道よりもむしろ高速の方が落ち着いた交通状況です。

高速道には日本と同じようにサービスエリアがあります。
サービスエリアは巨大かつ豪華で、スターバックスなどのカフェやおみやげ屋、フードコートなどがあります。
ただし、いわゆる「トイレに自販機だけ」の、パーキングエリアはないようでした。そのため、全般に休憩施設の数は日本よりも少なめです。子連れの場合には、パーキングエリアがない分だけトイレに注意する必要があるかもしれません。

(巨大サービスエリア)


(スタバもあります)

注意すべきは速度超過です。ネットの情報ではオービスでの取り締まりをかなりキッチリ行っているらしいです。
高速道路は車種により上限速度が決まっていますが、乗用車の場合は100km/hから110km/hとなっている区間が多かったです。
日本と同様、たまに爆速でとばす外車なんかもいましたが、おおむね皆さん紳士的な速度でした。

高速を降りて台湾の高原地帯へと向かいます。
道はクネクネ曲がりまくり。落石が路上に散らばっており、不意にRPGのごとくバイク2ケツ住民が登場。さらには濃霧がたちこめるという日本でも体験しないような状況でしたが、スリル満点のドライブを体験できました。

(写真では少し視界がありますが、実際はマジ何も見えなかったです)

返却前にガソリンスタンドに寄りました。
レンタカーの場合、借りた際の書類に適合するガソリンの種類が書いてあります。「92気油」「95気油」「98気油」の3種類があり、レギュラーガソリンが95、ハイオクが98となります。ちなみに92はバイク用。
軽油は柴油などと表記してあります。

今回の5ナンバー小型車、フォルクスワーゲン・ポロは95気油でした。台中で寄ったスタンドはさいわい英語が堪能なスタッフで、英語で「満タン」と依頼できました。中国語の場合は「加滿」(ジャー→マン↓)でOKです。ガソリン代は95でリッター30元(約110円)。日本より少し安いくらいでしたね。

台中でクルマを返しそのまま宿泊。念願のビールを浴び飲み(浴びるように飲むこと)し、高速鉄道で台北へ向かいました。


以上、台湾でのレンタカー体験記でした。
台湾はアジアの中ではかなり運転マナーも良く、高速道路は安くて快適、運転しやすい国だと思います。
免許の中国語翻訳文は有効期間も長く、現地取得も可能。台湾版のSUICA・悠遊卡と一緒に持っておいてソンはありません。
レンタカーが使えれば行動範囲もぐっと拡がります。ぜひ、安全運転でよい旅を。



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