脅威の小宇宙! インドの代表的な「階段井戸」をめぐる旅

Chand Baori

まるでエッシャーの無限階段がさらに無限に続いているような、不思議な建築物がインドにあります。

それは階段井戸(Stepwell)
階段井戸とは、インド亜大陸北西部、インドからパキスタンに残る3~5世紀に遡る建築様式で、貴重な雨水を半地下に貯めておくための巨大な設備。深く穴を掘ったいわゆる井戸というよりも、建物の内部に備えた貯水池といった方がいいかもしれません。水の確保だけでなく涼をとるためという贅沢な使われ方もしていたとか。

トップ画像にあるのは、最も有名なチャンド・バオリ(Chand Baori)の階段井戸
執拗なモザイク模様の反復に目がくらみそうです。
インドでも最大級の階段井戸で、地下深さ13階・30メートルにもおよび、階段総数は3,500段と推定されています。

チャンド・バオリがあるのは「風の宮殿」でおなじみの北インド・ジャイプールから南に90km、アブハナリー(Abhaneri)という村にあります。タージマハルで有名なアグラからも200km程度です。


インドには他にも大規模な階段井戸があり、西インドの都市、アーメダバード郊外のアダラジ・ヴァヴ(Adalaj Stepwell)は地下30mから天井まで5階建ての吹き抜けとなっており、巨大な宮殿を半地下に埋めたような壮大なもの。繊細な彫刻も必見です。

アーメダバードは階段井戸の本場で、他にもダーダーハリ(Dada Hari Ni Vav)という巨大井戸や太陽寺院(Sun Temple)など見どころだらけ。
また、コルビジェやルイス・カーンといった有名建築家の作品が残るなど、実は建築マニアにはたまらない魅力にあふれています。

なんと首都ニューデリーでも遺構を見ることができます。ウガール・セン・バオリ(Ugrasen Ki Baoli/Agrasen Ki Baoli)は繁華街コンノートプレイスから徒歩圏。リキシャーの運転手も知らないひっそりとしたスポットで、デリーの喧噪を忘れられます。


【サンプル旅程】

・成田(NRT)からニューデリー(DEL)へ。鉄道または現地ツアーなど陸路でジャイプールとアブハナリーへ。行ったことがなければアグラへも。デリーからアーメダバードまで、国内線で所要1時間半。

【旅行期間】

7日~。
鉄道&アーメダバード陸路なら10日程度ほしい。

【費用】

20万円~。
現地ツアーを使わず陸路鉄道、安宿滞在ホテルならば15万円以内で済む。

ご紹介いただいたのは…

tabinote編集部

(写真クレジット:Wikipedia, Google: マップ記号Aデリー、Bジャイプール、Cアンドヘリ、Cアーメダバード)


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