幻想と情念うずまく創造の世界にはまる旅
欧州には多くの有名美術館があります。
ルーヴル、ヴァチカン、オルセー、プラド…。どれも国宝級・教科書レベルの宝を数多く収載していますが、あまりのゴージャスさに気後れしたり、一回見たらお腹いっぱいということも…。
趣向を変えて、市井の個人が公表や評価を考えずに衝動のみで創りだした芸術、アウトサイダ-・アートを巡る旅に出てみてはいかがでしょう。幸い、欧州の近い範囲に見どころがあります。ただし、概してアクセスの良くない地域にある施設も多く、効率良くまわるには工夫が必要です。
1. 芸術家の家/ギャラリー・グギング(オーストリア・ウィーン郊外)
病院併設のミュージアムで、患者が共同生活をしながら創作活動をおこなっている。壁狭し・所狭しと置かれた力強い展示群は圧巻。体験コーナーもある。
【行き方】
住所:3400 Maria-Gugging, Am Campus 2 / Tel: +43 2243 87087
ウィーン中心部からおよそ20km。地下鉄U4線でHeiligenstadt下車。239バス「Maria Gugging/Lourdesgrotte」行きもしくは「the IST-Shuttle bus」を利用。
・サイト
・ウィーン観光局の案内
2. アール・ブリュット・コレクション(スイス・ローザンヌ)
世界中から集まったアウトサイダーアートを集めた総本山的存在。
マッジ・ギル(英)やヘンリー・ダーガー(米)などの有名どころも展示がある。
【行き方】
住所:11, av. des Bergières,CH – 1004 Lausanne / Tel: +41 21 315 25 70
Lausanne駅からバス2番線Désert方面・Jominiで下車、または3番線Bellevaux方面・Beaulieu-Jomini下車
・サイト
3. シュバルの理想宮(フランス・リヨン郊外)
フランスの郵便配達夫が30年以上の歳月をかけて創りだした宮殿。様々な様式が複雑に入り乱れた巨大な建築で、創作に費やす人の執念のすごさを感じずにはいられない。たまに日本でも展示が紹介される絵画や彫刻などと異なり、現地に行かなければ見ることができない。
【行き方】
住所:8, rue du Palais 26390 Hauterives – France / Tel: +33 (0)4 75 68 81 19
リヨン(Lyon)から最寄りのSaint Vallier駅まで45分程度。Hauterives行きバスもしくはタクシーで30~40分。
・サイト
・Eupedia観光ガイド
【サンプル旅程】
・成田(NRT)/羽田(HND)-ウィーン(VIE)までトルコ航空、KLMオランダなどで10万円程度。「1. 芸術家の家/ギャラリー・グギング」への行き方は上記参照
・ウィーン(VIE)から-「2. アール・ブリュット・コレクション」最寄りのジュネーヴ空港(GVA)までは2時間足らずのフライトだが便が限られており高い(オーストリア航空の直行便で7~8万程度)。チューリヒ(ZRH)まで空路で移動し、チューリヒ(ZRH)からローザンヌまで鉄道で陸路移動がお勧め。ウィーン(VIE)-チューリヒ(ZRH)まで空路で片道LCCで2万円程度。チューリヒ空港駅(Zurich Airp.)からローザンヌ駅(Lausanne)までは3時間弱、37スイスフラン(4,000円)程度。
・最後の「3. シュバルの理想宮(フランス・リヨン郊外)」までは陸路移動が便利。ローザンヌ駅(Lausanne)からSaint Vallier駅までレイルヨーロッパで所要4時間半、7,600円程度。空路の場合はローザンヌ駅(Lausanne)から戻りチューリヒ(ZHR)もしくはジュネーブ(GVA)からリヨン(LYS)となるが、乗り継ぎ便主体で時間も費用もかかる。
・Saint Vallier駅からリヨン駅に戻り空港へ。リヨン(LYS)からウィーン(VIE)まで乗り継ぎ便で3万円程度。もしくはSaint Vallier駅からパリまで向かう方法もある。鉄道が1.2万円程度、パリ(CDG)からウィーン(VIE)まで直行便で2.5万。
(参考)
・スイス鉄道利用のアドバイス
・レイルヨーロッパ
【旅行期間】最低8日~
【費用】航空券と長距離鉄道で18万円程度。プラス現地での近郊移動・タクシー・入場料・滞在費などあわせて25万円程度~。
ご紹介いただいたのは…
tabinote編集部
(写真クレジット:Maria Gugging, Collection de l’Art Brut, Postman Cheval’s Ideal Palace, Google)