世界の街を走ってみる~ パリ

tabinoteワタベです。
不定期連載として、世界のいろんな観光都市でのランニング体験を紹介します。
第3回はロンドンポートランドに引き続きフランスのパリです。


カタール航空でパリに降り立ったのは2016年の10月の半ば。
この渡航は全般的に日程もつまっており、バタバタしていました。怒濤の勢いで用事を済ませ、走りながら街を巡ってみようと思い至れたのは帰国前日。曇りや雨の多かったこの滞在の中で、天気もまずまず保ってくれそうな予報でした。
ちなみにこの滞在中、ちらっと市場に寄って撮った写真は先般刊行された「世界の美しい市場」にも使われています。

さて、正直フランスにもパリにもあまりランニングのイメージはありませんでした。山岳レースや自転車は盛んな印象でしたが、ロードランニングでフランス系の名選手ってのはにわかに思い浮かびません。あまり走る人なんていないのでは、と思っていました。
ところが、パリはそんな印象を覆すガチ・ランニング都市だったのです。


やはりランニングコースといえば川沿いが王道。
私が宿を取っていたのはパリ右岸と呼ばれる東側11区。ここからセーヌ川沿いをエッフェル塔あたりまで行って戻るコースをざっと計画しました。

毎度毎度悩むお金問題。クレカ一枚とユーロ札を何枚かビニール袋でくるみ、ポケットにつっこみます。
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セーヌ川を目指す前に行ってみたいところがありました。
宿からも程近いバタクラン劇場、パリ同時多発テロの現場です。
2015年11月13日、ロックバンドのイーグルス・オブ・デス・メタルの公演中にテロリストが乱入し自動小銃を乱射。89名が亡くなり、一連のテロでも最大の被害現場となりました。
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私が訪れたのはまた一周忌前で、閉鎖されていました。その後、16年に11月にスティングのライブで復活したそうです。

この周辺は、カフェやカンボジア料理店、ベトナム料理屋などの移民レストランが並ぶこなれた雰囲気のエリアでした。


さて、セーヌ川へ向かうため、バスティーユ方面に向かいます。
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平日の昼でしたが、ちらほら走っている人も見かけるように。
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セーヌ川へ出ました。
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川沿いにはいかにも歴史ある、石畳の歩行者路が整備されています。
この石畳が、とにかく粗くてデコボコ。お世辞にも走りやすいとはいえません。そんなコースでも結構走っている人がいます。
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シテ島に到達。腕時計のタイマーを止めて少し見物します。
そびえ立つノートルダム大聖堂。
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ふもとには小鳥市が出ていましたが、少し散漫な印象。
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こちらはパリで一番のステンドグラスと呼ばれるサントシャペル教会。長蛇の列ができていました(写真は別の機会に行った時のもの)。
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さすがにこのあたりはパリでもきっての観光スポット。どこもかしこも旅行者だらけです。


黙々と川沿いを進むと石畳の道も拓けてきて、沢山ランナーを見かけるようになりました。
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自分を棚に上げて、平日の昼間からこの人たち何してるんだろう、という疑問がわき上がってきます。
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走る人やけに多くないすか…。
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そして、どのランナーも速い!
健康のためとかフィットネスとか、そういうゆるい感じはありません。女性でも足場の悪い石畳の道を5分/kmくらいのペースで走っています。マジかよ!と思いました。
別に競争ではないのでいいのですが、どんどん抜かれる私。

急にペースアップしたので、いつの間にかエッフェル塔のあたりまで来ました。
塔のふもとは謎のお土産屋だらけ。やりすごしてエッフェル塔の展望スポット、シャイヨ宮に向かいます。
シャイヨ宮は結構ガラガラ。ウェディングドレス姿の中国系カップルが1組、バシャバシャ写真を撮っていました。
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エッフェル塔の麓に伸びるシャンドゥマルス公園に入り、きびすを返して宿の方向に向かいます。ここからも結構長い。

既に秋の気配漂うパリ。木漏れ日に落ち葉が映える落ち着いた雰囲気の公園ですが、ランナーがザクザク葉っぱを踏んで駆けていきます。
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190センチくらいのレスラーみたいなおっさんが猛スピードで私を抜いていきます。
なんだこのガチ度の高さ?
私のこれまでの旅先ランニング経験の中でも、もっとも平均スピードの速い都市です。

こちらはアンヴァリッド廃兵院。見物時間ゼロ。
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商店街を抜けます。
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このあたりにマルシェが出ていました。買い物しても持って帰れないので…、写真だけで。
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カルチェ・ラタンのコンビニで一息つきます。東京の御茶ノ水は日本のカルチェ・ラタンと呼ばれているそうですが、確かに御茶ノ水同様、坂が多い。
ここまで来ると午後の仕事が始まったのか、ランナーも見かけなくなりました。

ソルボンヌ大学。
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ガラス張りのモダンな建物と聞いていたアラブ世界研究所。結構薄汚れていました。
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ここからリヨンを経てベルシーへ。
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ベルシー・ヴィラージュという複合商業施設ができたそうで、どうせならそこまで行ってみようかなと。
途中のスタジアム付近、酔っ払いの嬌声がひびき微妙な治安感でしたが、生身で走っていれば問題ありません。
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ベルシー・ヴィラージュは路面型の高級ショッピングモールでした。ワイン倉の跡をリノベーションした施設らしく、皆昼からガッツリとワインを楽しんでいます。
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私はジュースを飲んで、だらだら宿に戻ります。


今回の道のりはこんな感じでした。
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思いがけず熱いランナーの多い都市だったパリ。
今回は行きませんでしたが、北の方とかちょっと猥雑なエリアもランニングならいろいろ探検できそうです。次回訪れる機会があれば試してみたいと思います。

パリには旅行者も利用できるVelibというコミュニティサイクルがあるので、それを使って移動してみるのもオススメです。

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