今回はtabinote児玉によるジェットスターでの輪行体験記をお届けします。
10日間の夏休み、恒例の帰省。今回は飛行機での輪行に挑戦してみようと思う。
ジェットスターのサイトを熟読し、まずは自転車とおおよその装備を抱えて体重計に乗ってみる。荷物の重量は13.6kgだったが念のため受託手荷物は20kgとしておいた。予約時に申し込んでおけば、空港で追加するよりも安いし、15kgとの差額も100円程度だ。
ただ気になるのは自転車のパッキングである。例えばヤマト便で送る場合はきちんとダンボールで梱包するか、しっかりしたケースでないと受け付けてくれないと聞いたが、ブログなどでジェットスターでの輪行の実績を調べたところ、そこまで気を遣わなくても大丈夫らしいとの情報を見かけたので、手持ちの薄手の輪行バッグを使うことにした。
8時30分の便に乗るにはギリギリの時間、自転車を担いで空港内を小走りにチェックインカウンターへと急ぐ。こんなピラピラした輪行袋で大丈夫だろうか?との不安をよそに「はい自転車ですね。タイヤの空気抜いてますか?」と訊かれただけですんなり受け付け完了。
ターンテーブルにときおり流れてくる寿司を数えて待っていると、空港職員の方が丁寧に手持ちで運んできてくれた。こういった対応は好感が持てるし、安心して自転車を預けられる。
さて空港からの移動手段だが、以前は空港からホバークラフトが運行していて、輪行するにはもってこいだったのだが、残念ながら2009年に廃止。現在利用できる公共交通機関は高速バスのみであるが、輪行は可能か気になるところである。今回は迎えに来てくれた妹の車で帰ることにした。
今回の夏休み期間中はずっと天気が悪く、あまり自転車に乗る機会がなかったのだが、辛うじて1日遠出することが出来た。大分市内より、久大線に沿って、湯布院・日田方面に行けるところまで行ってみることに。
朝6時に「道の駅 さがのせき」を出発。雲は多いものの一応晴れている。
湯布院・日田方面へは緩やかな登りが続く。片側一車線は狭く、かつ幹線道路なので大型車の通行も多い。車道と歩道を行ったりきたり。あとでGPSのログを見ると標高上がる毎にキレイに気温が下がっていた。
走っては雨宿りの繰り返しで、湯布院インター前の「道の駅 ゆふいん」でお昼休憩。冷えた体にとり天うどんが沁みる。
ここから水分峠、意を決して登る。走るトラックから水を浴びせられながらも何とか登頂。これで天気が良ければさぞ爽快なのだろうが、それでも頂上の看板を見たときの達成感はたまらない。あとはひたすら下りである。
1時間ほど雨の中を走り、大分県民には天気予報でおなじみの八鹿酒造を過ぎてまもなく、ひとつの目標としていた豊後森機関庫に到着した。
これは壮観である。玖珠町役場に申請すれば、内部の見学もできるとのこと。
しかし雨脚は弱まらず、今回は豊後森駅で久大線に乗って引き返すことにした。
ちなみに豊後森駅の駅舎は、ななつ星運行に合わせて、水戸岡鋭治デザインに改修されており小洒落ていた。
ななつ星が停車していたので、そばまで駆け寄りしばし外から眺める。
同じ道を自転車で引き返すのはどこか悔しいのと、鉄道でもこれだけ時間がかかる場所に来たのだという満足感を得るためである。そして平日夕方のラッシュに紛れて暗くなる前には実家に帰り着いた。全行程約100km、雨で無ければもう50km、太宰府までは行けたと思いたい。
休みの終盤の週末にかけては台風12号・11号が立て続けに接近し、帰る前日の便は全て欠航となった。そういえばジェットスターでは、2014年7月22日から「あんしんPlus/Max」という、6時間以上の遅延もしくは欠航した場合の見舞金制度が始まっていたのだが、それ以前に予約をしたので対象外だったし、そもそもPlusでもMaxでも無かった。まさにこんなときの「あんしんPlus/Max」であると実感。結局、前日のメールの予定通り1時間40分遅れでの運航だった。
地方の空港では、そこから先の移動手段などに若干の不安はまだあるものの、自分の中では飛行機での輪行に対する障壁は確実に下がった。
そういえば松山空港では最近サイクルステーションが設置されているとのこと。次は着いてすぐその足でしまなみ海道に向かうなんてこともやって見たい、かも?