tabinoteワタベです。昨年8月、アメリカのシアトルに滞在した際、「レーニア山」へのプチトレックを行いました。
レーニア山は森永乳業「カフェラッテ©」のパッケージに描かれている山で、日系移民からも「タコマ富士」の名で親しまれたという美しい山です。
(注:本旅行記は2015年8月時点の記録です)
現地ツアーさがし
シアトル到着翌日、空港近くのへんぴなホテルに滞在していた私。
埃をまきちらす巨大トレーラー行き交う幹線道を徒歩で渡り、某巨大スーパーへと向かっていました。
その途中に見えたこの光景。
はるか遠くに見えるのはレーニア山に間違いなく、写真だとアレですが、殺風景な幹線道から突然現れた優美な姿に完全にやられてしまい…。
滞在最終のオフ日にあの山に行くしかないと思いました。
その晩さっそく行き方を検索。
レーニア山のある国立公園地域へは公共交通機関がなく、レンタカーか現地ツアーの2択。
運転は不安でしたし、費用的にも日帰りツアーが当時のレートで6千円程度と激安。すぐにネットで現地ツアーを申し込みました。
レーニア山国立公園へ
翌朝早く、滞在地近くの某ホテルに巨大なクルマが現れました。今回のツアー車です。
クルマは市内のあちこちを巡って参加者を乗せていきます。
このツアー自体が「クルマで景色のいいところに行こう」くらいのゆるいもので、参加者は巨大な腹をゆらすご高齢の方や、やはり両親から末子までのきなみ巨大な家族連れなどが主流。
ひそかにトレッキングを目論んでいたのはおそらく私一人(アジア系自体が私一人)。
私の食事はこれだけ。しかし、皆ハムだのスシだの大量に買い込んでいます。
このツアーの引率者は50がらみのガイド兼ドライバー(おっさん)。
ずり下がるテンガロンハットをときおり片手で上げながらとにかくマシンガンのようにダミ声でしゃべりまくる!その度に車内が爆笑!みたいな感じで、私の英語力ではついていけず…。
途中でいくつかのビューポイントに立ち寄ります。こちらはなんとかという滝。
逆さレーニアが見られるという湖。他のツアー客にはここが一番人気だったようです。
プチトレック開始
さて、ツアーの目的地、「パラダイス」に到着しました。
パラダイスはロッジやみやげ物屋の集まるベースキャンプ的なスポット。ここから多くの登山道が出ており、麓をトレッキングする人も山頂を目指す人もひとまずここに集まります。
ここでツアー客に自由行動が告げられます。制限時間は90分。
この90分の間に行けるところまで行ってみることにします。
ちなみにパラダイスは標高1600m。レーニア山の山頂が4392mです。標高1800m以上は氷河が現れ、山頂への登山は冬山装備で所要2~3日とされています。
案内板をたよりに、総距離5マイルのスカイライン・トレイルを登ります。
感心したのは、日本の山ではまず見かけないような超高齢者や膝の悪そうな人も思い思いに楽しんでいることです。
持ち時間の半分、45分が経過。稜線っぽいあたりまで出ました。
既に氷河帯ギリギリの標高1900mを超え、風が冷たくなってきました。
足元は岩場に雪が薄く現れはじめます。
十分絶景を満喫した…と思ったところでスタート地点に向け戻りはじめますが、ここでヒドイ目にあいます。
高速下山
下りは楽なもの。どんどん人を追い越し駆け下ります。
さて、たっぷり下った後で気づきましたが、ルートにまったく見覚えがありません。
人も通りません。
どうやら途中で、別の登山道に紛れ込んだ模様です。
後から確認したところ、総距離20マイルのゴールデントレイルというルートに入ってしまったようです。
集合時間まで残りは、35分…。
1900m地点までもどろうと思いましたが、すでに下りを走るように降りてしまっており、間に合いそうにありません。
もし私が集合時間に現れなかったらどうなるだろう、と考えつつ一か八かで下り続けます。
5分ほど下りましたが、どんどん本格的な山っぽくなってきました。
どんなに観光地化された・整備された場所でもやはり山、登山地図なしで行ったことを後悔しました。
意を決して降りてきた道をかけ上がります。
集合時間まで残りは、20分…。
元の場所まで戻る前に、運良く人に遭遇。地図をみせてもらいました。
「あんたがすごい勢いで降りていった後、また走って登ってきたから何かと思ったよ」
「ははは…、すいません。ぜえぜえ」
地図でパラダイス行きのショートカットを確認し、そのままかけ降ります。
集合時間まで残りは、10分…。
ところが、だらだらみやげを見ていて遅れてきた連中もたくさんおり、結局20分遅れで点呼→出発。
あれだけ走りまくった意味は…。
帰路~解散
おみやげ屋で聞いたところ、見かけたのは山うさぎとのこと。せっかくなのでポストカードを一枚買いました。
帰りもいくつかの景勝地を巡りましたが、私はもうヘトヘトで上の空状態。
ガイドは運転中も自分のジョークにゲラゲラ笑いまくりで絶好調。休憩場所でバスから降り、スイカを切りながら何かのジョーク。その度にツアー客またも爆笑!みたいな地獄がえんえん続きます。
やはり英語はさっぱりわかりませんでしたが、聞き取れていたとしても私に笑う気力は残っていなかったでしょう。