歴史と異国情緒を味わう中国東北部の旅
中国旅行といえば北京、上海、西安などがメジャーですが、東北部の魅力は案外知られてないのでは無いでしょうか。
東北部はかつての満州国にほぼ重なる範囲。旧満州国は北京近郊の万里の長城付近からロシア国境の黒竜江省・内モンゴル自治区までをカバーしており、日本人が掘った温泉や歴史史跡など数々の見どころがあります。昔から複数の民族が行き交ってきた東北部はエキゾチックな旅情たっぷり。
満州鉄道が建設した当時の最高級ホテル「ヤマトホテル」は現在でもいくつかが営業中。以下に、ヤマトホテルを巡るというテーマのプランをご紹介します。
余裕があればぜひ満州里市まで。
祖父母・曾祖父母を誘えば意外な思い出話を聞けるかも?
大連
旧日本人街や日本人が設置した路面電車など、日本の足跡は多い。日露戦争の激戦地203高地も間近。温泉マニアなら旧満州三大温泉の熊岳城温泉(ゆうかくじょう)温泉も見逃せない。
大連にあったヤマトホテルは、今でも大連賓館というクラシックなホテルとして営業している。
・大連賓館
瀋陽
清国の発祥の地で、開祖ヌルハチの宮殿は北京の故宮と同時ならんで世界遺産認定されている。
満州国時代には奉天と呼ばれ、当時の瀋陽ヤマトホテルは遼寧賓館という名称で存続。飛び込みでも泊まれることが多いが、泊まらずとも豪華でクラシカルなロビーを見るだけでも立ち寄る価値あり。
・遼寧賓館
長春
かつての満州国首都・新京。都市計画にもとづく整然とした街並みとラスト・エンペラーの満州国皇帝時代の宮殿跡、偽満皇宮など満州の遺構は多い。本場の水餃子も味わってみたい。
長春ヤマトホテルは、今では春誼賓館という名前になり存続している。改装を繰り返しており往時の面影は薄らいでいるそう。
・春誼賓館
哈爾浜(ハルビン)
ロシア正教やユダヤ教などの教会が残り、異国情緒ただよう街並みは他の中国の都市とは異なる雰囲気。東方の小パリ・小モスクワとも呼ばれ、街歩きが楽しい。冬はマイナス20~30度にもなるが、壮麗な氷雪祭りも有名。
ハルビンヤマトホテルは龍門大厦(竜門ホテル)に統合され、ビル裏の重厚なレストラン(貴賓楼)が旧ヤマトホテルの建物。
・龍門大厦
【サンプル旅程】
・成田(NRT)/羽田(HND)-大連(DLC)まで、中国国際航空や大韓航空などで4~5万円程度。
・大連から瀋陽までは400km、高速鉄道で所要2時間。軟座二等席3000円程度。
・瀋陽から長春は300km、高速鉄道で1時間半。軟臥(寝台)で2500円程度。
・長春からハルビンは270km、快速鉄道で4時間半、軟臥(寝台)で2500円程度。
・哈爾浜から大連まで戻るには一気に空路LCCが便利。四川航空や北京首都航空で直行便なら1時間半。8千円程度。
※哈爾浜から満州里までは1000km、鉄道で所要14時間。2500円程度。空路はかつてハルビンから天津航空便があったものの、現在は運休している。北京まで戻れば満州里への直行便が片道1.5万円程度。
(参考)
・ヤマトホテル(Wikipedia)
【旅行期間】最低5日~。満州里行きの場合はプラス2~3日
【費用】航空券と長距離鉄道、宿泊合わせ10万円程度。プラス現地でのタクシー・入場料など。満州里行きの場合はプラス2~5万
ご紹介いただいたのは…
tabinote編集部
(写真クレジット:大連賓館, Wikipedia, Google)
- 大連賓館
- 大連賓館
- 遼寧賓館
- 氷雪祭り
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