forest
自称、青年海外筋力隊。体育教師、大洋州での海外ボランティアを経て、メキシコ・グアダラハラに辿り着く。家でも空港でも旅先でも、毎日毎日走って筋トレ、たまに食トレ。そんな日常です!
はじめに
¡Hola todos!
みなさんこんにちは。forestです。このシリーズでは2019年の1月にキューバのハバナまで旅し、ひと月過ごした様子について紹介したいと思います。今回は全3回のうちの第1回目「遥かなハバナ」、旅の準備と往路について。
なぜキューバ?と思われる方もおられるでしょう。2年間にわたる海外ボランティアの任期が終了し無職の状態だった私。この間にしかできないことをしたいと思いました。4月からはメキシコ生活が決まっていました。加えてスペイン語にも興味持っておりまして…ですが、家で本やラジオで勉強しても意志薄弱の私、なかなか続きません。環境のせいにしてはいけませんが…
暇人の私…ここは時間がないと行く機会のない国に行ってみよう!勉強してみよう!と思ってスペイン語圏のキューバを旅先に選びました。キューバにおけるスペイン語勉強のための方法は、何人かの方がブログで紹介されていたのでそれを頼りに旅程を組みました。
情報からは、首都ハバナにあるハバナ大学が非スペイン語圏出身者に向けて、平日に語学講座を開講しているとの事。毎月の第一月曜日の朝に大学に行けば受講の申し込みが出来るとの事。
キューバ行きを考えたのは2018年12月の上旬。翌月の1月7日に、次のスペイン語講座受講受付があるとわかりました。さあどうすれば入国できるか!調べてみました!
ビザと日程
日本人がキューバに入国し、滞在するためにはツーリストカード(観光VISAに相当)を取得せねばなりません。これを1枚取得することで最大30日の滞在が許可されます。
このカードを取得するためには、以下(1)もしくは(2)の手続きが必要になります。
(1)領事部窓口で申請する場合
・パスポート原本
・パスポートコピー1部
・申請書
・顔写真
・キューバ往復航空券の予約確認書のコピー1部
・キューバでの宿泊先の予約確認書のコピー1部
・代金2,100円(本人以外の代理申請の場合は追加料金3,500円で合計5,600円)の振込明細票
(2)郵送で申請する場合
(1)の方法との違いは
・パスポート原本は不要
・代金は5600円
・返信用封筒に住所氏名を記載し切手を貼付
(以上、在日本キューバ大使館領事部ホームページ
http://misiones.minrex.gob.cu/ja/ri-ben/servicios-consulares参照)
私の場合は郵送だったので、自宅近くから申請書類を投函してカードが届くまで1週間ほどかかりました。時間に余裕を持って申請したほうがいいと思います。(電話で確認したときに係の方にもそう言われました…)
さて
・1枚のツーリストカードでの最大滞在が30日。(もう1枚を再取得しさらに30日滞在を伸ばせますが…)
・1月7日の朝にはハバナに滞在していて、30日以内でできる限り多くの平日を含める旅程。
これらを頭に入れながら航空券検索サイト「スカイスキャナー」をいじくり倒しました。すると
1月4日(金)にハバナ着。2月2日(土)にハバナ発という往復航空券が見当たりました。もうこれしかありません。大阪(関西)発北京経由の中国国際航空だそうです。ちなみに帰路の北京では乗り継ぎ時間は…
な、な、なんと23時間…
帰りは北京をぶらぶらしてみるか…
北京散策付きと考えればなかなか興味深い航空券でした。
さて航空券を予約。しばらくして中国国際航空のホームページで予約確認をしてみました。そこで気になる標記を発見。北京発ハバナ行きの欄に(Montreal)と記載されていたのです。この時、私は「途中、カナダのモントリオールで給油でもするのか」…と軽く考えていました。これが、後々に問題を引き起こすことになろうとは…
北京へ
さてやってきました1月4日。関西空港午前9時発の飛行機に間に合うよう少し早めに空港へ!今回はリムジンバスを使います。車内では、前日のよしもと新喜劇を見て気分を上げていきまっせ!
チェックイン窓口でパスポートを見せると、係のお姉さんがパソコンをカタカタ…ここまではいつもの流れです。が、次の一言で冷や汗が…
お姉さん「eTAはお持ちですか?」
私「い…」
お姉さん「カナダのモントリオールを経由するためeTAが必要なんです。すみません…」
私「い~!!!eTA???取ってないです。キューバの観光ビザなら取ったのですが…」
お姉さん「それもお見せいただきますが…eTAを今ここで取得していただけないでしょうか?そうでないと発券できないのです。申し訳ございません!!!」
お姉さんは何も悪くないですよ。私ですワタクシが悪いのです。
その瞬間、私の不器用な指先とスマホとの待ったなしの決戦が始まった。後ろには北京へいざ飛び立たんとする中国の人たちの長蛇の列。年始のごっつ忙しい空港で、1カウンターを占拠してしまったアホがいました。本当にすみません…
カタカタカタカタ…シャーシャー…
約1時間のスパーリングの結果、ようやく手にしましたハバナ行き(北京乗り継ぎ、モントリオール経由)の切符。お姉さんに腰を90度でお礼して保安検査、出国審査場に向かいます。
「你好!欢迎光临!!」
ここから私は中国の人にしか見られない世界へ入っていきました。中国への入国カードも外国人用を渡されなかったので慌ててお願いすることに。機内食は確か鰻丼だったか蕎麦だったか…ビールは「青岛啤酒」ではなく「燕京啤酒」。乗り心地も悪くなく、北京までの短めのフライトでも映画が見られました。(写真を取り損ねてすみません!)
さて北京空港着。中国出入国の注意はいろいろあります。(それはまた後の機会にご説明できれば。)ですが今回は一般的な手続きのみで乗り継ぎの通路に入ることが出来ました。
さて広い空港をてくてく歩いてハバナ行き(モントリオール経由)の搭乗口に向かいます。しかし2時間ほどの遅延が発生しているそうな…日本から持ってきためちゃ分厚い小説、池井戸潤さんの「BT’63」があって助かりました。この空港のWiFiの使い方はよくわかりませんでしたし、中国では日本と同じようにインターネットは出来ないと考えていました。中国乗り継ぎの時間つぶしは読書がおススメです。なかなか始まらない搭乗、航空会社がビスケットと水を配給してくれました。それを食べて腹の虫を収めます。
予定時刻から遅れること2時間、迎えの使者いや迎えのバスがきました。飛行機まではバスで滑走路を走ります。1月の北京は極寒…心はすでにキューバの私、半そでなので急場しのぎにパーカーを着用!サムい!
ハバナへ
何本映画を見たのかわからないぐらい長い時間を経て、例のモントリオールに着陸。ハバナまで行く乗客はごくわずかのようです。
「あの…私はハバナまで行くのですが。」と尋ねる私。
「とりあえず出口付近で待っといて」との客室乗務員さんの返事。
その後はほとんどの客が降りてしまいました。不安になる私。また尋ねると
「いったん外に出てから、再搭乗です。」
との返事が聞こえた。ような気がしました…
一旦、降機客の集団に交じり、トランジットと同じ要領で再搭乗する。そう早合点した私は大半の客と同じ流れで空港の廊下をいこうとしていました。しかしやはりおかしい、ような気がする。立ち止まって案内板やらを物色し始めたとき、後方から、
「ハバナに向かう日本人はいますか!?いますかぁ~!?」
危機一髪…
この係員さんが迎えに来てくれなければ、私はモントリオールでもんどり打っていたでしょう。
「あんた、ちゃんと機内アナウンス聴いていたのか?こっちへ来てくれ。」
案内してくれた中国国際航空の男性CAに全力で謝りながら飛行機に戻ります。ここでは、すぐに乗り込むのではなく、搭乗待ちロビーに行くでもない。そうカナダのマッチョな空港係員による質問が5分ほど続きました。
「なぜ出ていこうとした?」⇒「機内アナウンスをよく聞き取れず、勘違いした。」
「キューバ渡航の目的は?」⇒「スペイン語を勉強するため。」
「仕事は?」⇒「今は無職。4月からメキシコに住むからスペイン語を学びたい。」
というようなやり取りを経て、搭乗待ちロビーに逆側から通してもらえました。出入国のトラブルに対しては、正直な事を落ち着いて話すしか解決法がないと思います。不正に入国しようとした意思はないので。以後こうした乗り継ぎをされる方に、この事例が少しでも役に立てばと感じています。今回は私に落ち度がありました。自分の身は自分で守るしかないのですよね。
どうやら同じように北京からハバナまで乗った人は他に4,5人ほどだった様子…
ふたたび?の「ニーハオ」。少し申し訳ない顔でCAさんたちとかわします。途中乱気流などもあったものの、何とか夜11時前にハバナに着きました。予定より遅れる事、3時間弱。
キューバ、社会主義国、ピリピリしているのか?腹に力を籠め、入国審査のお兄さんにパスポートとツーリストカードを提示。
「オラ!ふぉれすと!ビエンベニードス(ようこそ)!!!」
気付いたら入国スタンプが押されていました。
ボディーチェックのお姉さんはスマホでレゲトンガンガン!ノリノリでチェック終了!!何やねんこれ!?
この時間でも空港の両替所は開いていました。日本円も交換可能です。
タクシーも25CUP(キューバ兌換ペソ)で市内まで運んでくれるという事。ガイド本でもそんな風に書かれていたので、ボられてはいないはずです。
宿に着いたのは日付が変わった頃。一晩7ドルほどの宿。シェアハウスともいえそうなドミトリーでした。そこに29泊30日。オーナーさん一家の優しい母娘がラム酒と共に迎えてくれました。
こんな感じでスタートした1か月。次回はハバナ大学スペイン語講座での学びとハバナの街並みを伝えたいと思います。