八ッ場ダム ナイトツアー

八ッ場ダム

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評論同人誌サークル「暗黒通信団」の雑文書き。
貧乏ノマド独身。英語は苦手。好きな地域は中東の砂漠。元コミケスタッフ。コテコテの理系。自称高等遊民。
詳しくは http://ankokudan.org/d/d.htm?member-j.html

完成したダムを見る機会はいくらでもあろうが、工事中のダムを正々堂々と見学できる機会は少ない。そして現在首都圏で工事中のダムはただ一箇所。それが八ッ場ダムである。国土交通省主催。巨大建造物好き必見の夜間見学会に行ってきたので報告しよう。なお現場までは自動車で行くのが正しいし、実際殆どの見学者は自動車で行くのだが、貧乏な我々は自動車など持っていないので鉄道利用だ。最寄り駅はJR吾妻線の川原湯温泉駅。高崎駅から約1時間である。「ぐんまワンデー世界遺産パス」がおトクだ。

温泉地に来たのだからと500円で「王湯」という銭湯に入り、二階の座敷でくつろいでから出発だ。この銭湯は2時間まで500円で利用できる。銭湯からは徒歩で東に向かって最大20分ほど歩くのだが、なんせ道が工事中で色々迂回しなくてはならず大変だ。

受付は17時15分からなのだが17時前に到着したら既に100人以上並んでいるという有様だ。順番に台帳に名前とどこから来たのかを書く。公式発表の定員は40人なのでどうするのかと思えば、何組かに分けて随時出発するらしい。最初の組は17時ちょうどに出発した。解説員が3名しかいないので、最初の組が戻ってくるまでは待機するしかない。外は夕暮れだったが、我々の組が出る頃には真っ暗になっていた。中には三脚などを持ってくるガチ勢もいるが、大抵は地元の人か工事関係者の親族のようで、「パパ、ここで働いてるのー!」という笑顔嬢とかがいて微笑ましい。

集合場所から数分で門にあたり、その先に進むと、眼下に上流側から見た巨大なダム建設現場が広がっていた。なかなかの圧巻である。
八ッ場ダム

八ッ場ダムは地域住民の反対のあと政権交代で中止になったり再開されたり、複雑な経緯を経て現在は8割くらい完成しているという感じだ。完成まで1年ちょっとという現在は、ダムらしい状況になっていてしかも工事中という、個人的にはベストな時期だ。解説のお姉さんが、紆余曲折の歴史に加え、コンクリを現場で生産しているとか、旧吾妻線の線路をバラック輸送に使っているとか、コンクリートを水で濡らしておくことでひび割れを防ぐこととか、技術知識もバンバン伝授してくれる。だいたい普通の人はダムの作り方なんて知らないと思うので、それだけでも勉強になるに違いない。

所要時間50分と書いてあるが実質的には20分くらいだろうか。基本的には定点から見るだけなのだが、それでも対象が巨大で迫力あるし、日本に数台しかないという超巨大クレーンが三台集結している様はカッコ良すぎてゾクゾクする。
八ッ場ダム

現場は川原湯温泉駅から徒歩30分程度である。詳細は以下を見よう。10月~11月 第3土曜日、最終金曜日にナイトツアーが開かれている。この号が出る頃だと11月17と30がチャンスか。
やんばツアーズ

(シ)