はじまり
なんとなくダラダラ始めたこともあり起点が定かでないのですが、tabinoteは2013年6月に有限責任事業組合を設立しましたので16年5末でめでたく3周年。それを記念して近場のソウルに社員旅行(厳密には組合員旅行)を計画しました。
tabinoteワタベのピーチポイントが余っていたので渡航先は必然的にピーチの就航地であるソウルか台北となりましたが、最近は皆台北づいていたので目的地はあっさりソウルに決定。ピーチポイント+バーゲン+Airbnb利用の激安旅行です。
社員旅行とはいっても各自目的はバラバラ、しかもtabinoteハマは仕事の都合などから出発日を一日ずらすことになり、tabinote田口も出発日を間違え仕事をかかえて現れるなど、早くもまとまりのない旅となる予感。
かくして、ハマを除く3名が出発日の6/3深夜、羽田に集まりました。
以降はメンバーそれぞれの体験を記します。
6/3:到着〜午前
tabinoteワタベである。
フライトは午前2時発4時半着というLCCの見本のようにツラいスケジュール。
離陸が30分ほど遅れ、結局現地着は5時。
眠くてたまらないので、最小限のウォンを入手して速攻豪華リムジンバスに乗車し、市街のプレジデントホテルへ向かう。
両替にはLINE Payというしくみをつかった。現在韓国ウォンのみへの対応、かつ一日一回しか換金できないが、スマホから簡単操作でレートもよい。さすが韓国企業のサービスという感じである。
なぜプレジデントホテルに向かったかというと、そこがツアーの発着地だったからである。この日3名はDMZツアーへ行く予定をたてていたのである。
DMZとは、南北の軍事境界線上に設定された非武装地帯(DeMilitarized Zone)のこと。現地ではメジャーな観光となっていて、ホテルやゲストハウスにもツアーのパンフレットがおいてある。DMZには南北の協議が行われる板門店や、北朝鮮から韓国への秘密トンネル(南侵トンネル)などさまざまなツアーがある。今回は早朝強行軍ということもあり、シンプルに板門店をめぐって早めに帰るツアーとした。
このツアーが今回の社員旅行のハイライトであったが、期待以上の面白さであった。
プレジデントホテル着、周辺は官庁街で早朝は閉まっている店も多く、仕方なく入った店で重めの食事をとる。
事前に北のミサイル実験が行われるなど、ツアー開催があやぶまれたが、とくに何事もなく受付をすまし、ツアーバスに乗って出発した。
基本韓国人はDMZツアーへの参加が難しく、中国人は北の方から見学することになるとのこと。ということで、ツアーバスの中は日本人と中国人以外の外国人ばかりであった。
日本語ガイドと英語のガイドがおり、DMZの概要、注意事項、歴史などをよどみなくユーモア混じりで達者に話す。
バスは市街を北に向かい、漢江を超えイムジン川を左にのぞみつつ、ほどなく最初のエントリーポイント、Camp Bonifas(キャンプボニパス)に到着した。途中に謎の遊園地があったが、後ほどそこで昼食を食べることになっているとはこの時思わなかったのである。
Camp Bonifasは板門店を警備する国連軍の詰所であり、パスポートチェックや注意事項の再確認、ビデオ上映、ここで死んでも文句は言いません的な誓約書の記入などが行われる。
なぜか隣におみやげ屋が…。
基本、これ以降は決まった場所でしか写真撮影ができない。
ツアーバスを降り、国連軍のバスに乗り換え。選りすぐりのイケメン兵士が険しい顔で同乗する。
ところどころでDMZ内の民間村や事件のスポットなどを通りつつバスは進む。写真禁止で停車もしないので、あれよあれよという間に板門店についてしまった。
先に見学していたツアー客が退出するのを待って、いよいよ入場。
国境線。正面の水色の建物の間にあるコンクリのラインが南北国境、向こうの白い建物が北朝鮮。
緊張感が漂う。
突然写真撮影が許可され、皆バシャバシャ撮りまくる。
あと一分!との声でさらにバシャバシャ。
この建物は北と南にまたがって建てられている。日本人が最も手軽に北朝鮮に行ける方法は、この建物の北側に立ち入ることである。
テコンドーのポーズで微動だにしない憲兵たち。
さっそく北側に入る3名。北進完了!
またまた突然写真撮影が許可され、皆兵士と並んで撮りまくる。
そしてすぐに撮影時間は終了し、建物外へ。
この後は北朝鮮兵士による米兵殺傷事件現場(通称斧事件)や、捕虜交換の現場「帰らざる橋」などをやはり車窓から見物。Camp Bonifasへ戻る。
いかめしい兵士の顔もゆるむ。下車しおみやげタイム。
宣誓書も戻ってきた。
tabinote田口だ。
若いころはキツいスケジュールでも「飛行機で寝ればいいや」、「バスで寝ればいいや」とほぼ徹夜で出発してもなんとかなってきたのだが、ここ数年は遺憾ながら老化のせいか「眠いのに寝れない」という現象に悩まされている。今回も羽田空港2時出発ソウルに5時到着という地獄スケジュールだったのだが案の定寝れず。ふらふらの状態でソウル市内に放り出される。
とりあえず腹が減ったので食堂を探す。オレは海外でも吉野家やマクドナルドに入る男だ。食に関してはほとんど関心がない。よって目についた大衆食堂に即決したのだが同行者2人は不満らしく他を探しに行くという。構わず入店し、店頭の写真から魚の干物定食を所望。
想像通りの味で満足。
さらに韓国特有のおかわり自由の小鉢がたくさんついてきてお得である。
食い終わった頃に結局見つけられなかったらしく2人も入店。暇なのでぼんやり休息を取る。
そのあと板門店ツアー。まあ内容はワタベと同様なので割愛
Googleマップで北との境界に近づいていくのはワクワクしたな。
笑ってはいけないDMZ24時
なんだかんだ久々にゾクゾクする気分を味わえた。ここは本当にお薦めだ。
あとガイドのお姉さんに一瞬恋をした。
tabinoteこだまです。
羽田の国際線ターミナルに来るのは開港日に記念Suica買いにきた以来で利用ははじめてなのです。他のメンバーほど旅慣れていないので、羽田空港へ一番乗り。
深夜便は近隣諸国行きのLCCが主のようです。おい搭乗便の出発は25分遅れかよ…。
ラウンジで田口、ワタベと合流。
そして目覚めればもう仁川国際空港。
空港内のデジタルサイネージがやたら綺麗。LGの有機ELパネルなのかな?さすが液晶パネル推しの国。
ワタベと同じくLINE PayのATM出金サービスで両替。レートは空港の両替所と公認両替所の間くらい?
事前にLINE Payの利用登録が必要だし、1日1回1000000ウォンまでという利用制限はあるけれど、至る所にある新韓銀行のATM(日本語表示にも対応)が利用できるのはいざというとき便利ですね。
ともかく眠いので、到着ロビー出てすぐのバス停から高級リムジンバスに乗りソウル市内へ向かいます。
さすが16000ウォンだけあって快適〜。
さてDMZツアーの集合まで時間があるのでワタベと朝メシ探索。
歩き回ったあげく、最終的にほぼ食べ終わってる田口と同じ席に座ることになったのが若干悔しかったけれど、いただいたカルグクスはよく言えば徹夜明けのカラダに優しい味でした(そのあと滅茶苦茶キムチ入れた)。
いざDMZツアーへ!
詳細はワタベに任せますが、バスではガイドの目の前の席だったので、なんとなく寝ちゃうのも悪い気がして、英語・日本語の二回に渡ってしっかり解説を聞いたので、とても勉強になりました。こちらは英語でのガイドを担当していたお姉さん(田口が惚れた方ではない)。
あ、あと緊迫した空気の中イケメン兵士がバスに乗り込んだとき、ガイドのお姉さん二人が「わぉ♡」と顔を見合わせていたことはナイショです。そんなイケメン兵士に「パスポートと顔が違うのでは?」と指摘されたワタベ。笑ってはいけない。
しかしあれだけ北朝鮮を刺激してはいけないと細かい服装規定にびびらされていたのに、この派手なオジサンを見たときには「全員OUT〜」、心の中でケツシバかれた次第である。それでも笑ってはいけない。
iPhoneで撮った写真の撮影場所が「北朝鮮」となっているあたりが感慨深いです。
帰国してから映画「JSA」を観て「おーあそこか!」と感動したものですが、実際には別の場所に再現されたセットで撮影されたそうです(あたりまえか)。
6/3:午後
tabinoteワタベである。
DMZツアーの後、ランチ&休憩で例の遊園地へ。プルコギであった。
緊張感から開放され、とりあえずビールを飲む。
復路はガイドもフレンドリー、我々の弾丸日程に感心される。
そして、午後3時にプレジデントホテル着。
ソウル駅に移動し、ツーリスト用の無料SIMを入手、本日泊まるAirbnb宿へ向かう。
このEGSIM、マニュアルにも「カード挿入後4〜5回再起動せよ」と書いてあるほどネットワークをつかむのに時間がかかる。
バスルームはトイレにシャワーが付いているというだけという謎仕様、疲労もあり、宿のま隣にあるサウナへ行くことに。
韓国のサウナは風呂、サウナ、食事、仮眠がついた健康ランド的なエンタメスポットで、ホテルに泊まらずここに滞在する観光客も多いという。そしてこのシロアムサウナ、ソウル最大級という評価もあるほどのすばらしい施設。風呂とサウナと食事ですっかり弛緩してしまった。
宿に戻り夕食へ。宿近くの海鮮屋に行く。
各自どんぶり的なものと刺身を注文。刺身は盛り合わせ的なものを期待したが、ヒラメだけがひたすら漢らしく盛られてきた。
満腹である。
tabinote田口だ
昼食はプルコギ的なもの。特にうまくもまずくもない
あとで聞いたのだが北朝鮮には平壌冷麺という名物料理がありたいへん美味らしい。このレストランにあったかどうかは失念したが食してみたくはあった。まあ別にいいが。
無料のコスプレ撮影コーナーがあったので当然撮影。
tabinoteスタッフ唯一の顔出しOKオレの出番である。
ソウル駅近くの激安ゲストハウス。
路地に入ると小便の匂いがした。
最年長のオレは個室をあてがわれた。翌日ハマに強奪されるのだが……。
そしてサウナである。東アジアの最大の楽しみはサウナと言っても過言ではない。
実は韓国サウナははじめてなのだが率直に言って最高だった。
とにかくサウナの種類が多い。チムジルバンと呼ばれる男女共用のスチームサウナみたいなものもよかった。
通常東アジアのサウナは風俗施設も兼ねていることが多いが、ここは健全そのもの。男女共有スペースも多く、家族連れもたくさんいた。
そのあとメンバーとヒラメの刺身などを喰らいあとは寝るだけ。
tabinoteこだまです。
臨津閣(イムジンガク)で昼食のプルコギ、そして食後に売店でビールを。軽いビールが好みなので、CassもHiteもどんとこい。
イムジンガクは民間人が最も北朝鮮に近づける場所で、以前はイムジン川に架かるこの自由の橋を渡って民間人統制区域に入っていたそうです(橋の向こうがすぐ北朝鮮というわけではない)。
ソウル市内まで再び1時間のバス移動。帰りにツアーのお土産に7000ウォンチャージ付きのT-moneyカードをもらう。そもそも買うつもりだったのでこれは嬉しい〜。デザインは微妙だけど…。
宿最寄りのソウル駅へ向かいツーリスト向けのSimを貰います。
とはいえ今回はメインの通信手段としてiVideoのレンタルWiFiルーターを借りました。ここ、しょっちゅう割引キャンペーンやってて知る限り最安です。元々台湾の会社なので台湾での利用もお得でした。
宿の部屋は簡素だけど寝るだけなのでよし!
ワンコがいてセキュリティは万全です。
なによりここの宿の評価ポイントはすぐ隣にあるサウナ。
部屋の宿泊費と入浴料合わせてもまだ一般的なホテルより安いんじゃないでしょうか。家族連れなども多く、女性だけでも安心して利用できると思います。
夕食は遠出せず、宿近くの店に適当に。今のところごはんハズレ無し。キムチにもすっかり慣れたよ!
tabinoteハマDAYONE。
ただしい社畜であるわたくし、朝から何食わぬ顔で会社へ出勤。
引いてきたカートを無理くりロッカーに突っ込み丸一日通常営業。
昼休み、予約していたWi-Fiを新宿のiVideoまで取りにいく。
余談だが、アジア旅行に行くなら相対的に見て今一番安いのはiVideoではないかと思う。
定時の19時まで働いた後、無理に入れたカートを引っ張り出そうと格闘しているところを目撃されるも黙って品川へ。
羽田からピーチで深夜2時便の為、時間つぶしをいろいろ考えた結果、品川の映画館であまり疲れない邦画を鑑賞。
映画終了後の23時半、うかつにポケットに入れていた携帯がどこを探してもない…。
メールで送られてきていたエアチケットをもちろんプリントアウトしていなかった為、あっさり「終わったな…」と諦観の境地に達した瞬間、
映画館スタッフの「あ、ありましたァ〜!」
の一言で我に返る。
そっか、やっぱり行くしかないか…。