世界あの街この街:#49_ポートランド

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(画像:tabinote)

アメリカ合衆国・国旗

(画像:Wikipedia提供)

見どころと特徴

コンパクトで美しい街並み、豊かな自然、美食とリベラルな雰囲気で人気の高い都市。各種ランキングでも「全米で最も住みやすい街」と評されている。消費税がなく、先進的なショップが多いため買い物天国としても名高い。


ポートランドの街並みはコンパクトでわかりやすい。
アメリカの他の都市と異なり、徒歩と公共交通機関で手軽に巡れてしまう。自転車があればどこに行くにも便利。

ポートランドは市街を南北に貫くウィラメット川によって東西に分けられている。
大きく4つのブロックに分かれており、最も栄えているのが川の西側、ダウンタウンを擁するサウスウエスト地区。
同じく川の西側北はノースウエスト地区で、オールドタウン(チャイナタウン)、リノベーションされたカフェやショップがならぶパール地区、郊外のおしゃれなショッピング通りノブヒルなど魅力的な地域が続く。
川の東側も新しいレストランやビールの醸造所、ショップなどが増えており、ホーソン地区、ベルモント、ロイド地区などはその代表格。
Pioneer Courthouse Square to 501 SE Hawthorne Blvd  Portland  OR 97214  USA   Google Maps
(画像:Google)


街歩きの起点はサウスウエスト地区のダウンタウン。交通機関が集中し、ホテルやカフェも多く便利。
パイオニア・コートハウス・スクエアはショッピングセンターや公園を擁する街の中心。レストランやお土産屋、フードコートなど旅行者にも住人にも便利なエリア。
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(画像:tabinote)

パイオニア・コートハウス・スクエアでは毎週月曜日にファーマーズマーケットが開かれ大変にぎわう。
なお、ファーマーズマーケットは毎日どこかで催されているので滞在中ハシゴすることも可能。
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ダウンタウンから北に歩くとパールディストリクト。
レンガの趣ある建物が集まる通り沿いにはおしゃれなショップやレストランが並ぶ。世界最大の独立系書店、パウエルズやアウトドアショップなど買い物もはかどるエリア。
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(画像:tabinote)

一方パールから川沿いに向かうとチャイナタウン。ここから川沿いを歩き有名なVoodooドーナツをひやかして帰るのが定番コース。
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(画像:tabinote)

パールから西に向かい、ロード405を超えると高級住宅街ノブヒル。こちらもショッピングやカフェなど個性的なお店が多い。ダウンタウンから歩いて行くとちょうどいい運動になる。
ノブヒルまで行ったなら、バーンサイド通りを越えて有名なバラ園に行ってみよう。ちょっとした山道並みの坂を越えると標識が現れる。一帯には日本庭園、ホロコーストの碑、動物園などがあり、家族連れやランナーなど穏やかな雰囲気。
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International Rose Test Garden (トリップアドバイザー提供)

ウィラメット川の東側は西側よりも商業地区が分散しているが、近年先進的な店舗が増えており注目度は高い。クラフトビールの醸造所も多く、昼過ぎから多くの人がグラスを傾けている。
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(画像:tabinote)

ポートランドは徒歩でも動きやすいので、ついつい歩きすぎてしまう。
あちこちにあるカフェに入って適宜休憩しよう。通り沿いの店にふらっと入っても恐ろしくレベルの高いコーヒーが出てくる。
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(画像:tabinote)


ポートランドの楽しみはアウトドア。
コロンビア川渓谷は深い緑や滝の美しい景観で知られ、ハイキングやサイクリングで多くの人が訪れる。ダウンタウンから渓谷までは25km、ランニングで向かうという強者もいる模様。
Columbia River Gorge (トリップアドバイザー提供)

市街から北西、ウィラメット川沿いに拡がるのがフォレストパーク。パークという名から想像できないほどの広大な森林で、ハイカーやロードバイクを駆る強者、トレイルランナーなどアウトドア愛好家でにぎわう。
Forest Park (トリップアドバイザー提供)

マウント・フッドは標高3424m、オレゴン州最高峰で、ポートランド市街からもその冠雪に輝く雄大な姿を見ることができる。ウインタースポーツはもちろん、夏スキーやトレッキングなど豊富なツアーがある。
Mount Hood (トリップアドバイザー提供)

道具がなければ街中にたくさんあるアウトドアショップで相談してみよう。
日本で売っていないような珍しいアイテムが見つかるかも。
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(画像:tabinote)


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ポートランドは食の先進都市として名高い。
美しい自然を背景にした豊富な山海の幸、近郊で取れた新鮮な野菜や畜肉、高品質なビールやワイン、コーヒーやベーカリーなどポートランド名物は非常に多い。

地元産の食材を使ったレストラン、タイや中東などの洗練されたエスニックレストラン、人気の屋台料理など、高級料理からストリートフードまでレベルが高い。

有名なカフェも多く、サードウェーブの先駆けでもあるストンプタウンをはじめとして自家焙煎のこだわったお店が多い。

そして、酒飲みにはとても誘惑の多い街。香川の製麺所のようにあちこちにビール醸造所があり、その日その日にしか味わえない挑戦的なレシピでつくられたできたてのクラフトビールを楽しめる。街中にもクラフトビールのバーが多い。
多くの店でハッピーアワーを催しており、午後早い時間や深夜など、ビールにつまみを格安で楽しめる。
ワインも有名で、郊外の醸造所を巡るワイナリーツアーも豊富。

なお、オレゴン州の飲酒可能年齢は21歳からなので注意したい。
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日本からの行き方

(空路)
成田からポートランドまではデルタ航空の直行便がある。
夕方16時台に出発、現地に朝10時前に着く。価格も安く、10万円台から。
他に、同じデルタのシアトル便を利用し、シアトルからバスで向かうという手もある。
ロサンゼルス、カリフォルニアなどを経由して国内線で向かってもよい。

(パッケージツアー)
日程をゆったりとって、現地のデザインホテルに泊まるような比較豪華なツアーが多い。デルタ直行便、サーチャージ込み最安で20万円から。ニューヨークの周遊がセットになっているものもある。
ポートランドはホテル代が高いので一考の価値あり。

(陸路)
鉄道のアムトラック、近郊都市からの長距離バスなどがある。

バスでおすすめはボルトバス。全米を縦横にむすぶグレイハウンド社が保有するブランドで、ポートランドとシアトル・カナダのバンクーバーを結んでいる。
安全な乗り場、広いシート、WiFi付の快適なバスで、運賃も安い。
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(画像:tabinote)

(空港)
ポートランドの空の玄関はポートランド国際空港(PDX)。
市街中心部から北東に15km程、ノースイースト地区のむこう、コロンビア川沿いにある。
1つのターミナルビルに5つのコンコースがあり、デルタの直行便はコンコースDに発着する。
設備や周辺商業地区の充実度、アクセスの便利さなどから空港の評価は高い。

空港からはMAXライトレールが便利。所要40分ほどで運賃は2.5ドル。ダウンタウンまで所要20~30分、40ドルほど。




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地理と気候

西ヨーロッパやチリと同様の西岸海洋性気候とされ、牧畜やワイン栽培に適した気候。夏も適度に涼しく冬も寒すぎない。北緯45度と日本では札幌市のあたりに該当する高緯度だが、暖流の影響で冬でも滅多に氷点下になることはない(ポートランドと札幌は姉妹都市)。

「曇り空と雨」はポートランド名物。特に秋の終わりから春頃までは雨曇りが多い。ベストシーズンは空が晴れ渡る春から夏。夏は日射しがきついが最も暑い時間でも30度ほどで、過ごしやすい。
夏場は日が長く、夜8~9時にようやく日が陰り始める。
日本との時差はマイナス17時間、サマータイム中はマイナス16時間。日本の正午が前日の19時(夏は20時)。


(画像:Google提供)


言語と通貨

英語が基本。
ヨーロッパ系が7割強、ヒスパニックが1割、アフリカ系とアジア系が1割弱。
通貨は米国ドル。1ドル=124円程度(15年8月時点)。

一般に物価が安く暮らしやすいと言われるが、米国の大都市(ニューヨークやロサンゼルス)よりは安いといった程度。ホテルや外食は全般に高め。ただし、ポートランドは消費税がないため日本よりもかなり安く買えるものもある。特にアウトドアグッズやアパレルが狙い目。
外食はカフェなら10~15ドル。屋台なら7ドル程度から。
交通費は路面電車・バスが一日5ドル。タクシーが初乗り2.5ドル+以降1マイルごとに2.6ドル。

クレジットカードは必須で、ホテルからスーパーまでカードがないと生活が成り立たない。現金の両替は最小限でOK。両替は日本でしておくのが鉄則。

チップの習慣がある。タクシーは1割程度(最低1ドル)、ホテルのベルボーイやベッドメイクには1ドル程度、ルームサービスやレストランは代金の1~2割。サービス料が含まれていれば不要。

クレカの場合、チップは伝票のチップ欄に任意の額を書き込んで会計してもらう。チップのみ現金をテーブルに置いてきてもよい。


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ビザと治安

ポートランドはアメリカの中ではかなり治安がいい方とされている。繁華街を歩いている限りは夜も人通りがある。
オールドタウン(チャイナタウン)、チャイナタウンから続く公園、橋の下、駅のあたりはホームレスが多く、荒れた雰囲気があるので注意すること。

観光目的の場合、90日以内の滞在はビザ免除。商用や第三国を経由しての入国などではビザが必要。
ビザ免除のためにはESTA(電子渡航認証システム)による事前申請が必要。ESTAは2年間有効で渡航72時間前までに申請が推奨されている。ESTAを取得していないと入国できないため早めの準備がお勧め。


市内交通

(メトロバス・ストリートカー)
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(画像:tabinote)

ダウンタウンと郊外を結ぶ路面電車であるMAXライトレール、ダウンタウンを中心に巡る環状線の路面電車・ストリートカー、そして市内を縦横に結ぶバスがある。
バスは多くの街ではローカル住民しか利用しない危険な乗り物というイメージだが、ポートランドでは全くそんなことはなく旅行者も安心して利用できる。

チケットはすべて共通で、2時間半で2.5ドル、1日券が5ドル。チケットはFred MeyerやSafewayといったスーパーで購入でき、スマホのチケットアプリもある。

(レンタサイクル)
自転車天国のポートランドには多くの貸し自転車屋がある。おおむね一日スポーツタイプを借りて35ドル~が相場。また、ホテルでレンタル自転車を用意している場合もあるので確認してみよう。

個人の自転車貸しサービス、Spinlisterもおすすめ。ポートランドには登録者が多く、貸し自転車屋よりも低い予算で高機能なロードバイクを借りることができる。
(Spinlisterについてはこちらの記事をご参考)

(タクシー)
白黒の塗装がなされたラジオ・キャブや緑の社名が書かれたPortland Taxiが代表的。ぼったくりなどは基本ない。流しのタクシーは少ないが、ホテルの前あたりに停車している。
PCやスマホでも配車できるが、ショートメッセージの受信のために現地の携帯電話番号が必要。アメリカの電話番号を付与してくれるスマホアプリ・HeyWireが便利。
Uberも多く、市内ですぐに見つかる。

Portland Taxiの場合、初乗り2.5ドル+以降1マイルごとに2.6ドル。チップは料金の1割が目安で、最低1ドル。人数や荷物の多さに応じて多めに支払う。ドライバーがチップ込みと思っておつりをくれない場合は、支払いの際に「3ドルおつりくれ」などと言い添えると誤解がない。

(レンタカー)
広いアメリカ、特に郊外に出るならレンタカーの利用がおすすめ。
ダウンタウンや主要道は一方通行が多いので注意。
なお、25歳未満は借りることができないか、割増料金が必要となる場合が殆ど。




ホテルとシーズン

ホテルの供給はやや不足している。特にサウスウエスト、ダウンタウンのレートは高騰気味。
オンシーズンの4つ星ホテルなら一泊300~400ドル台となる。郊外の宿や、ホステルなどバス・トイレを共用する施設ならぐっと手ごろになる。
ベッド&ブレックファースト形式のいわゆる民宿や個人宅の部屋貸しサービスAirbnbの利用もお勧め。なんといってもアメリカはairbnbの本場。便利な場所に沢山のおしゃれな物件がある。airbnbの人気物件はすぐ埋まるので、キャンセルポリシーに気をつけつつ早めに予約を。
Ace Hotel Portland (トリップアドバイザー提供)


ネット・通信環境

(携帯・モバイル)
かつては高い、買いにくいなどあまりプリペイドSIMが入手しやすいとはいえなかった。
近年は多くのMVNO業者(プリペイド携帯会社)による競争が進んでおり、利用者にとって状況は改善されている。おおむね月額35ドル~40ドルでデータ無制限、2G程度まではLTE速度というプランが多い。以下のリンク「No Contract and Prepaid Phone Plan Guide」を参照のこと。「Bring Your Own Phone?」が「Yes」のカードは自分のSIMフリー携帯を持ち込んで契約できる。

以下の「アメリカのSIM、基礎知識101」にある通り、SIMと契約は独立している。アクティベートは自分で行うのが前提だが、あらかじめプラン(通信業者)を決めて購入時スタッフに設定してもらうのがラク。T-mobileの回線を使うReady SIMならアクティベート不要、14日間で容量1G、25ドルとコスパが良いが販売場所は限られる(Portland周辺では売っていない)。

プランによっては、手持ちのスマホの対応周波数と合わない場合があるのでよく調べてから購入しよう。iPhoneやNEXUSなどのグローバルモデル以外はAT&Tの850MHz3G回線しか使えないこともあり、いっそ現地でSIMフリーの安スマホを買ってしまうという手も…。

ソフトバンクのPhone 6、iPhone 6 Plus、iPad Air 2を使っている場合、Sprintの回線を使った「アメリカ放題」プランがある。980円で通話もデータ通信も無制限。2014年9月からキャンペーンが続いており、実際には無料で利用できる(キャンペーン期間中はiPad mini 3も対象)。Sprint以外のネットワークは対象外なので要注意。

面倒なことが嫌いな方はWiFiルーターを借りていったり海外の数カ国で使えるSIMを買っていくのも手。



(WiFi)
WiFiの接続に不自由することはない。
個人経営のカフェも多いが、至る所にあるスターバックスでWiFiが提供されている。