「旅とトリニクとごはん」水谷さるころ 第1回

旅とトリニクとごはん

Profile
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水谷さるころ

1976年生まれ。96年女子美術短期大学情報デザイン科卒業。
イラストレーター・マンガ家・グラフィックデザイナー。
「旅チャンネル」の企画で世界一周を2回経験。著作に旅マンガ「30日間世界一周!(全3巻)」「35日間世界一周!!(全5巻)」がある。
空手は黒帯。弐段。

公式サイト

こんにちは。水谷さるころです。30日間で世界一周をした話と、35日間で世界を一周した話をマンガに描いたりしているイラストレーターです。旅人としてのスキルはかなりボンクラ指数が高めです。


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そんな私ですが、最近旅の写真を整理していて「私って…鶏肉が好きだなあ」と改めて思ったので、鶏肉とごはん(米)のコラムを書かせて頂くことになりました。
鶏肉は焼いてよし、茹でてよし、蒸してよし、揚げてよし…。書いてるだけでお腹が空いてきます。単品でも素晴らしいですが、それにごはんをセットにすると素敵なハーモニーを奏でます。


さて第1回目のテーマはタイの「カオマンガイ」です。
鶏肉とごはんといえば私的に最初に思い浮かぶのは「海南鶏飯」です。「蒸し鶏をジャスミンライスの上に乗せた」あのチキンライスです。このチキンライスが好きで、色々調べているのですが「海南島出身の人々がシンガポールに伝えた」ことで発展した料理ということです。日本だと「シンガポール・チキンライス」と呼ばれる事も多いですね。
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これがシンガポールだけでなくて、タイ・ベトナム・マレーシアなど、東南アジアで広く食べられています。
タイでは「カオマンガイ」といいます。「カオ」がごはんで「ガイ」が鶏肉。
35日間世界一周中にマレーシアでチキンライスを食べ損ねた私が、タイで「カオマンガイ」を食べた時の感動は忘れられません。以後、タイ料理屋に行ったらカオマンガイばかり食べる人間になってしまいました…! ああ、おいしいよおいしいよカオマンガイ!

カオマンガイの何がいいかと言えば、やはりジューシーな鶏肉と、その鶏のダシが利いたごはんとの合わせ技です。ソースはそのお店によってまちまちですが、そんなに辛いタレは主流ではないようです。
実は私は辛いモノが苦手なのです……。私は「お酒が飲めない」「辛いモノが苦手」という旅をするには寂しいハンデを負っています。タイ料理といえば「トムヤムクン」をはじめ激辛なものが有名ですが、カオマンガイは辛いモノが苦手な私に手をさしのべてくれるタイ料理のオアシスのような存在です。


そんなわけで、世界一周の旅の後に改めてバンコクにカオマンガイを食べに行きました。カオマンガイって、日本のタイ料理屋には比較的あるんですが、タイだと専門店で食べるものらしく、カオマンガイ屋に行かないと無かったのが印象的です。う~ん、日本で言うと「牛丼」みたいな感じなのでしょうか? そういえば、バンコクの王宮前を歩いていたら地元の女子高生グループに「インタビューさせてください」と課外授業の課題らしきインタビューを受けたのですが「タイ料理は好きですか?」と聞かれて「好きです! カオマンガイ大好き!」と答えたところ…苦笑されました。「えー、よりにもよってなんでカオマンガイ?」って顔されました。日本に来た外国人観光客に、和食の何が好き? と聞いて「牛丼!」と答えられたら、たぶん私もあんな顔すると思います。

まず「サイアム・パラゴン」というショッピングセンターのフードコートのカオマンガイ。ここのフードコートは広くてキレイです。オシャレでキレイな店構えにぶら下がる鶏肉が白っぽく輝いています。高まる期待感…!
が、しかし、鶏肉は小さいしパサついているし、タレはぼんやりした味だし…まさか…本場でこんなしょんぼりした味のものを食べるハメになるとは…とガックリ。フードコートだからでしょうか? この時の運が悪かったのか…。
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フードコートなんかじゃなくて、やっぱり有名店に行かねばと「ピンクのカオマンガイ」で有名な「ラーン・ガイトーン・プラトゥーナム」へ。しかし…? おいしいことはおいしいのですが、あまりに有名編のため、期待しすぎたのか…どうもそこまでの感動ができず…。
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そのようにTwitterでつぶやいたら「同じ通りにある緑のカオマンガイがオススメ」と言われたので「KuangHeng」というカオマンガイ屋さんへ行ってみました。どうもネットで調べてみたところ、最近はミドリのカオマンガイ屋とピンクのカオマンガイ屋はカオマンガイ好きの間ではどちらも有名なようですね。印象としてはピンクのカオマンガイと似た感じでした。
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で、一番お気に入りのカオマンガイ屋さんはどこかというと…。シーロムのカオマンガイ屋台「パンティットキム(お昼に営業しています。日曜はお休み)」です。実はここ、私が始めてカオマンガイを食べたところなんですよね。やっぱり最初に食べたもののイメージが残ってしまうものでしょうか。でもここのカオマンガイ、お肉がジューシーですごくおいしかったです。
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うーむ、まだまだカオマンガイ道の入り口に立ったばかり…といった感じですね。そうそう、去年渋谷にオープンしたピンクのカオマンガイ「ガイトーン東京」のカオマンガイはもちろん食べました。実は私がバンコクで食べたピンクのカオマンガイよりもおいしかったんです…! あれれ? …とりあえず、日本でおいしいカオマンガイが食べられて嬉しいです。